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先生教えて! ディープフェイク 五味悠一郎准教授

情報リテラシーを高めて真偽判断

 生成AI技術を悪用して偽造コンテンツを作成する「ディープフェイク」。最近は、卒業アルバムの写真などを使いポルノ画像を生成する「ディープフェイクポルノ」が問題に上がっている。手軽に画像生成などができる反面、その手軽さゆえに悪用が懸念される。今、私たち学生が気を付けるべきことはなにか。理工学部応用情報工学科の五味悠一郎准教授(医療情報学)に聞いた。

 Q ディープフェイクとは。
 A 一般的に、ディープラーニング(深層学習)の技術を使ってフェイクコンテンツ(画像や音声など)を生成すること、およびそのコンテンツをディープフェイクと呼んでいます。ディープラーニングとは、神経回路を模倣したニューラルネットワークというシステムを多層化し、大量のデータを学習することで、認識・判断・予測・生成などを行う技術のことです。

 Q これから想定される問題点は。
 A 画像や音声などがより精巧になるにつれて、悪用できる範囲が広がってしまうことが懸念されます。例えば、裁判で証拠として提出されていた写真や音声データが機能しなくなる可能性があります。しかし、私たちができるディープフェイクによって生じる問題への対策は限られているのが現状です。

 Q 取り締まる制度は。
 A 現在のところ、日本でディープフェイクの生成や所持を取り締まる法律はありません。ただし、ディープフェイクを用いて児童ポルノや詐欺などの罪を犯した場合は、既存の法律が適用されるでしょう。
 個人的には、技術の発展やコンテンツの多様化を制限してしまうことを考慮すると、取り締まりを強化しすぎない方が良いと考えます。包丁が使い方によっては人を傷つける道具になってしまうように、ディープラーニングも使い方次第です。
 
 Q 学生が気を付けるべきことは。
 A 情報リテラシーを高め、情報を用いた判断を他人任せにしないことです。精巧なディープフェイクは機械的な識別が難しいため、私たちは自分で情報を吟味し、真偽を判断するしかありません。学校や家庭で学んできた基礎的な知識や常識が身に付いていれば、怪しい情報や違和感に気づくはずです。入ってくる情報をすべて信用するのではなく、その情報が正しいかを常に検証する習慣が必要です。

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