重量挙げ 全日本学生個人 61㌔級上坂、73㌔級永山、81㌔級佐藤、102㌔級西川、109㌔超級塚田 本学勢5階級でV
西川 スナッチ、ジャーク、トータル 大会新
ジャーク2本目、191㌔に成功した西川
73㌔級を制した永山
81㌔級を制した佐藤
109㌔超級を制した塚田
重量挙げの全日本学生個人選手権が5月10日から12日まで大阪府羽曳野市のはびきのコロセアムで行われ、男子102㌔級の西川勝之(文理3=京都・朱雀高)がスナッチ、ジャーク、トータルでそれぞれ大会新記録を樹立し完全優勝を果たした。
また、同61㌔級の上坂健斗(スポーツ科1=滋賀・堅田高)、同73㌔級の永山盛耀(経済3=沖縄・糸満高)、同81㌔級の佐藤駿太郎(文理4=宮城県農高)、同109㌔超級の塚田直人(スポーツ科2=栃木・小山南高)も優勝し、本学勢として2年ぶりに5階級を制した。
男子61㌔級の上坂はスナッチ2本目で109㌔に成功し1位。ジャークでは2本目に142㌔に失敗するも3本目に同重量に成功しトータルは251㌔で栄冠に輝いた。
同73㌔級の永山はスナッチ2本目で125㌔を上げ1位。ジャークでは2本目に158㌔に成功し2位。トータル283㌔と2位の神谷亮輔(中大2)にわずか1㌔差で優勝した。
同81㌔級の佐藤はスナッチ3本目で141㌔に成功し、2位の吉野真太郎(早大3)に11㌔差をつけ1位。ジャークでは158㌔で3位だったが、トータルで299㌔となり優勝を果たした。
同102㌔級の西川はスナッチ1本目に140㌔を上げ1位。3本目には大会新記録となる150㌔に成功した。ジャークでも2本目に191㌔を上げ大会新記録を樹立し1位。トータルでも341㌔の大会新記録を達成し、頂点に立った。
同109㌔超級の塚田はスナッチ3本目で143㌔を上げ1位。2位の寺西洸志郎(明大4)に13㌔差をつけた。ジャークでは168㌔、173㌔と順に成功し2位。トータルは316㌔で優勝を飾った。
そのほか、同61㌔級の深沢友也(生物資源科4=山梨・日川高)と同67㌔級の花城瑞樹(スポーツ科4=香川・飯山高)が準優勝に輝いた。
国内無敗から世界へ
笑顔を見せる西川
西川はまた新たなタイトルを手にした。本学入学後、全日本選手権3連覇、全日本大学対抗選手権2連覇と、あらゆるタイトルを獲得。初出場となった今大会でも大会新記録を叩き出し頂点に立った。
西川は、スナッチでバーベルを床から膝が超えるまで持ち上げる際に以前よりも重さを感じるという課題を抱えていた。そのため、練習では軽い重量でフォームの見直しと重量に慣れるために床からバーベルを持ち上げるデッドリフトに取り組んできた。
そして、迎えた今大会。課題のスナッチで150㌔を上げ大会新記録を樹立。続くジャークを含めトータルでも大会新記録を達成して完全優勝を果たした。国内では無敗の強さを見せつけた。
しかし、世界の舞台では壁を感じているという。昨年11月に出場した世界ジュニア選手権。スナッチで2位、ジャークで3位。優勝選手に9㌔差をつけられた。
西川は世界のトップ選手と比べ上半身の筋肉量(筋量)が少ない。上半身の筋量強化は体幹の安定性を生み出す。そこでコーチと共に上半身のトレーニングに取り組むなど、工夫をしながら課題克服に努力している。
「国際大会の常連、そして五輪に出場したい」と目標を語る西川。まだ見ぬ世界の頂点を目指して突き進む。
もっと強くなりたい
142㌔に成功した上坂
ルーキーの上坂が大学入学後初の大会で優勝を果たした。上坂にとって優勝は昨年8月の高校総体以来となる。
小学4年生から重量挙げを始めた。高校生の頃にはその才能を遺憾なく発揮。男子55㌔級で高校選抜、高校総体、国民体育大会の主要タイトルを獲得した。高校3年の高校総体では階級を同61㌔級に上げて出場、優勝を成し遂げた。しかし、その後の国民体育大会、全日本ジュニア選手権では2位に甘んじ頂点になかなか届かなかった。
その後、上坂は本学に進学。理由は全日本選手権で優勝した西川や泊幸大郎(生物資源科1=京都・海洋高)らトップレベルの選手がそろっているからだ。さらに、東京都世田谷区にある本学の八幡山の寮の食事など練習環境にひかれ、「もっと強くなれる」と確信して入部を決意した。
今大会に向けて取り組んだのはスナッチ、ジャークの成功率を上げることだ。まずは普段の練習時から試合を想定したウオーミングアップに取り組んだ。特に緊張する試合での1本目をイメージした。加えて、階級を上げた時に痛感した筋力不足の課題にも取り組んできた。成果が表れたのは脚の筋力で、スクワットの重量が高校卒業時の180㌔から190㌔まで着実に伸びていった。
今大会ではスナッチとジャークそれぞれ1本目から成功。さらに今年2月の全日本ジュニア選手権では失敗したジャーク142㌔をクリアし、トータルで自身の記録を6㌔伸ばし優勝をつかんだ。
上坂は「東日本大学対抗選手権のメンバー入りを果たし、国際大会でも結果を出せるような選手になりたい」と今後の目標を語った。
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