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自転車東日本学生  本学勢トラック3種目で頂点

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伊藤がスプリントV
 吉川も昨年の雪辱を果たす

 自転車の東日本学生選手権トラックが5月4、5日に長野県松本市の美鈴湖自転車競技場で行われた。本学勢は男子1㌔㍍タイムトライアル、同チームスプリント、同スプリントの3種目で優勝に輝いた。

 4日に行われた個々の完走タイムを競う同1㌔㍍タイムトライアルで吉川敬介(経済4=付属豊山高)が1分2秒719のタイムで2位に1秒以上の差をつけ優勝。昨年2位に終わった雪辱を果たした。

 3人1組で縦に並んで出走し、1周ごとに先頭の選手が抜け最終走者のフィニッシュタイムで競う同チームスプリントでは町田颯(スポーツ科4=栃木・作新学院高)、松岡勇斗(同1=愛媛・松山学院高)、山下翔太郎(文理1=石川・内灘高)組が1分1秒931で2位の中大を0秒055上回り優勝を飾った。

 トラックを2周し、着順を競う男子スプリントは伊藤京介(スポーツ科4=三重・朝明高)が4日に行われた予選を10秒286で1位通過。

 翌日の2分の1決勝ではチームスプリントを制した松岡と対戦。2本とも圧巻の強さを見せつけストレート勝ちを収め、決勝に駒を進めた。「苦手なタイプ」と話した宮崎太志(明大1)との決勝も、見事ストレートで制し初優勝に輝いた。

 その他ペースメーカーが外れた後で勝負を決める同ケイリンでは、決勝6人の中に高佐龍太郎(同4=宮崎・都城工高)、桜井仁志(商4=福井科学技術高)、鶴見健二(経済2=東京・総合工科高)の3人が出場するもそれぞれ4位、5位、6位に終わった。

 5日に行われた同25㌔㍍ポイントレース決勝には前日の予選で1位通過を果たした岡本勝哉(文理4=京都・北桑田高)ら4人が出場。新井敬太(商3=広島城北高)が5位と健闘した。岡本は最初のポイント周回をトップ通過するも、その後は思うようにポイントを加えられず11位だった。

 同1㌔㍍タイムトライアルで優勝した吉川は「結果よりもタイムにこだわっていた。昨年よりタイムを落としてしまったので悔しさが残る」と今大会を振り返った。

苦境を乗り越え

 全日本学生トラックを3連覇し、過去にジュニアのスプリント日本記録を保持していた経験も持つ伊藤。ところが今大会の調子はすこぶる悪かった。昨年10月の国民体育大会を走った後のオフ期間中に、家族に不幸があった。さらに東京から三重県の実家まで自転車で帰った12月、腸脛靭帯炎を左ひざにおこし心身共にボロボロの状態に。

 そんな時、立ち直るきっかけをくれたのが、競輪選手として活躍する兄の存在だ。同じつらい思いをしているにも関わらず成績を残し続ける兄の姿が、自暴自棄になりかけていた伊藤に前を向かせた。そこから伊藤はメンタル面を徐々に復調させ、けがも治った3月に練習を再開した。

 トラックバイクに乗るのは数カ月ぶり。頭では動きを理解できているが体がうまくかみ合わず、調子を戻すまでに時間がかかった。やっと復調の兆しが見えたのは今大会の前週、同会場で行われた松本サイクルトラックレース。ペダルをこぎながら段々とレースの勘を取り戻していった。

 それでも不安が残るまま迎えた大会初日。普段のレース前は緊張よりも勝負に対する楽しさが勝る伊藤だが、前日も眠れないほどに緊張していた。だが最初の予選を走ってみると「意外と走れる」。そんな感覚に包まれ不安もなくなっていった。その後の4分の1決勝も走り終えると「ひょっとしたら」と思いはじめ、自分に流れが来る予感を感じた。2日目の2分の1決勝からはレースへの楽しさがよみがえり、対戦前には笑顔を見せる伊藤の姿がそこにはあった。

 見事に優勝を果たし完全復活した伊藤。今後はインカレだけではなく全日本学生トラックの4連覇にも期待がかかる。最終学年を迎え「一戦一戦を大切にしていきたい」という思いを胸に、今シーズンを戦っていく。

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