よりみち日和 ㊵淡路亭ビリヤード
長年親しまれた集いの場
JR御茶ノ水駅のお茶の水橋口から徒歩4分。JR中央・総武線の線路沿いにある建物2階に「淡路亭ビリヤード」という店舗が入っている。
どこか懐かしさを感じる店内。店長の酒井優さんによれば「淡路亭の創業は江戸時代末期までさかのぼる」とのこと。元々は家具の販売と製造工場としてスタートした。1960年ごろに、家具製品に加えて当時人気が出てきたビリヤードの製品制作とビリヤード場の営業を開始。2020年に現在の経営体制になるまで、地下階と1階は工場として使われていた。
利用者の年齢層は幅広く10代から80代まで。来店のきっかけとして多いのがJR中央・総武線の車内から見える大きな「淡路亭ビリヤード」という看板だ。看板は70年弱前から設置しており、懐かしさを感じて訪れる人も多い。
昨年、店の窓に貼られた「洋式トイレだぁ!!」という張り紙がSNSで話題となった。和式トイレから洋式トイレに切り変わったことをユーモラスに伝えたいと思い、目立たせる狙いでデザイナーとともに制作。酒井さんのこだわりでシンプルな文言となった。
近隣には大学が多く、昼間は学生、夕方から夜にかけては会社員が訪れ、常に店内はにぎわっている。1人で訪れるうちに、常連同士が友人になることも少なくない。平日は40人ほど、土日は30人ほどが来店する。混雑時は店内にある六つのビリヤード台が全て埋まるほど盛況だ。
現在、都内でもビリヤード場は減少している。そのような中で、長年にわたり多くの人に愛され続けてきた「淡路亭ビリヤード」。独特の雰囲気を味わいに訪れてみてはどうか。 (妃)
東京都千代田区外神田2‐1‐7 2F(JR「御茶ノ水駅」徒歩4分) 午前11時から午後11時 1月1日定休
1時間当たりの料金〔一般 600円(1台3名以上 540円)、学生 540円(1台3名以上 500円)〕







ご意見・ご感想はこちらから