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特集・連載

Nperson⑰ 杉崎亮太さん

挑戦を続ける若き表現者

 ある昼下がりの閑静な住宅街。杉崎さんは笑顔で創作現場へと招いてくれた。
 
 元々ゲームが好きだった杉崎さんがCGデザインに興味を持ったのは高校2年の時。授業でゲームを制作していた時に、自分で3Dモデルを作りたくなったことがきっかけだ。独学で研究していくうちに3Dの世界に夢中になった。
 
 本格的に映像制作の道を目指そうと決意したのは、大学2年の時に出会った映画『ゴジラ―1.0』だった。「ラストシーンの水しぶきの表現には圧倒された」と話す彼の目は輝いていた。
 
 この映画を手掛けたCGアーティストはおよそ30人。しかもそれを8カ月で仕上げたことに衝撃を受けた。「自分もあんな風に作ってみたい」。その思いから、より一層映像制作にのめり込んだ。学業との両立が難しく制作に時間が取れないことも多かったが、気持ちが揺らぐことはなかった。
 
 学生生活にも慣れてきた3年の夏。今年の1月24日に公開した映画『アンダーニンジャ』の3Dプロップモデラーを募集していることを知り、勇気を出して応募。高校が舞台の物語で教室内にあるロッカーなど小物のモデル制作を担当した。
 
 杉崎さんの作風は「リアリスティック」。デザインする時は「よりリアルに近づけること」を意識する。そのためには観察眼が必須だ。現実にあるものをデザインする場合はあらゆる角度からその物体を観察し、本物に迫る状態に仕上げる。あえて汚れを付けたり細部のゆがみを表現したりと、ひと手間を忘れない。「100%本物を再現することは不可能だとしても、90%まで突き詰めていけるかがポイント」とプロ並みのクオリティーを追求する。
 
 創作に没頭すると1日12時間はパソコンに向かう。疲れたら短い休憩を挟んで、また創作。そのようにして200時間をかけて作ったフルCGの動画はたったの8秒間だ。しかし、プロになればそれは当たり前の世界。「映画を観る時もつい映像技術に目が行ってしまうようになった」と苦笑する。
 
 現在はCGクリエーターを目指し、映像制作に励む日々。最終的な目標はCG技術で世界トップの映画を作ることだ。挑戦を続ける彼がいつか世界に羽ばたく日を楽しみにしている。 

すぎさき りょうた/数理情報工4/180㌢/千葉県出身/好きな映画:『スターウォーズ』

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