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特集・連載

NPerson ⑫ 森田晶博さん

車に満タンの愛情を注ぐ

 雨がしとしとと降る中、傘を片手にたたずむ男性と船橋キャンパスの中央門で待ち合わせ。声をかけると、眼鏡が似合う優しい笑顔であいさつを返してくれた。34人の部員が所属する大所帯の円陣会の代表にふさわしく、ハキハキとした答え方に人柄が感じられる。

 円陣会とは理工学部で1952年から続く伝統あるサークル。車を骨組みからすべて自分たちで制作するなど、学生がものづくりを自主的に学ぶ場となり、多くの技術者を輩出してきた。

 大学1年の頃、円陣会が紹介されたチラシに興味を持ち、入部を決めた。当時はコロナ禍で入部者が少なく、2年生のときに一番長く活動していた森田さんが、周囲から推され代表へ就任した。

 代表の任務は想像していた以上に多忙を極めた。自動車を作るだけではなく、活動スケージュールを考え、自分たちが作った車を知ってもらうための広報活動も行う。さらにはメンバーのモチベーションアップも意識しないといけない。しかし「自分が作った車に人が乗り、走っている姿を見るのは楽しい」とうれしそうだ。

 企業に対するプロジェクトなどについての報告会では、1時間半の予定が3時間に延びてしまうことがある。企業側から厳しいことを言われることもあるが「本気で向き合ってくれるからこその言葉だと思うので、ありがたい」と実に前向きだ。

 車に対して真摯(しんし)に向き合う森田さん。そもそも車好きになったのは父の影響だ。小さい頃、車で日光や横須賀などへ連れて行ってくれた。たくさんの素敵な思い出が、森田さんを自然と車のとりこにしていった。

 将来の夢も、やはり車に関わる仕事に就くことだ。「電気自動車や自動運転といった次世代の自動車開発に携わりたい」と相好を崩す。そのため大学では、ロボットや機械を動かすメカニズムについて学んでいる。勉強も円陣会での活動も夢をかなえるエンジンだ。
 車に満タンの愛情を注ぎ、きっと自動車業界に変革をもたらしてくれるだろう。

日本大学理工学部円陣会のホームページはこちら

※本人の承諾を得て掲載しています。

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