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特集・連載

よりみち日和 ㉞旧鴇田家住宅

京成本線の実籾駅北口を出て徒歩12分。木々に囲まれた自然豊かな実籾本郷公園内に、まるで隠れ家のような民家「旧鴇(とき)田家住宅」がある。2000年11月に開館し、05年3月に千葉県指定有形文化財に指定された。

L字型に曲がった建築様式で、江戸時代に東北地方に多く見られた「曲屋(まがりや)」と呼ばれる建物。南関東では非常に珍しい住宅だ。

鴇田家は実籾村の名主を代々務めていた。江戸時代の1727年から翌年にかけて建造され、1991年まで実際に使用されていた。

入ってすぐの「土間」ではかまどや背負いかごなどの民具が展示され、午前中にはかまどに火が入る。また、身分の高い人が来訪したときに使う「玄関」や、その供の者が待機した「供待(ともま)ち部屋」、江戸時代の民家としては貴重な客便所など、名主の家にふさわしい間取りになっている。

見どころは主庭の「上宿庭(かみじゅくてい)」。水琴窟(すいきんくつ)が奏でる安らぎの音色と四季を彩るイロハモミジやロウバイ、サンシュユなどの花木を縁側から楽しめる。周辺には実籾本郷公園があり、桜が満開の季節には多くの人でにぎわう。

7月には七夕飾りや絵本の読み聞かせをするおはなし会、9月ごろには「お月見の会」など毎年さまざまなイベントが開催される。11月10日には落語会が開催予定で、同月1日から習志野市教育委員会社会教育課で申し込みの受付を開始する。秋を彩るイロハモミジを愛でながら、伝統の笑いを堪能してみてはいかが。 (落)

旧鴇田家住宅外観

千葉県習志野市実籾2―24―1(実籾本郷公園内)(京成本線「実籾駅」徒歩12分)
午前9時半~午後4時半
毎週月曜(祝日の場合、翌平日休館)、毎月第2金曜(祝日の場合、前日休館)、年末年始(12月29日~1月4日)定休
入館料は無料
☎047―451―1151
詳細は旧鴇田家住宅/習志野市HP

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