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大相撲三月場所 尊富士が新入幕で初優勝

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110年ぶりの偉業

 大相撲三月場所が3月10日から24日にかけて大阪市のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で行われ、東前頭十七枚目の尊富士(25歳、伊勢ヶ濱部屋=本名・石岡弥輝也、2022年法卒)が、新入幕としては1914年の両国(元関脇)以来となる110年ぶりの優勝(13勝2敗)という偉業を果たした。初土俵から10場所での幕内優勝は史上最速記録。本学出身力士の優勝としては、輪島(元横綱)、琴光喜(元大関)に次いで3人目となる。

 尊富士は一月場所で新十両優勝し幕内へ駆けあがった。三月場所では初日から11連勝という60年一月場所の大鵬(元横綱)以来の破竹の勢い。しかし、12日目に大関・豊昇龍に敗れ、連勝が止まった。

 そして勝てば優勝となる14日目。西前頭筆頭の朝乃山との取り組みで惜しくも寄り切られて二敗を喫した。ただ、この取り組みで尊富士は土俵から落ちる際に右足首を負傷。車いすで会場を後にした姿は翌日の出場が危ぶまれた。

 迎えた千秋楽当日。右足首のけがが心配される中、西前頭六枚目の豪ノ山との取り組みに臨んだ。仕切り後に一気にがぶって前に攻め込んだが、いったんは押し戻された。その後すぐに土俵際まで寄り立て、最後は慌てることなく豪ノ山を力強く土俵外に押し倒し、見事な四つ相撲巧者ぶりを見せ、賜杯を手にした。

 この歴史的な勝利で尊富士は、殊勲、敢闘、技能の三賞すべても獲得した。

 大学時代は個人タイトルには恵まれなかったが、大相撲に入って25歳の若さにして偉業を達成。けがの痛みに耐えて頂点に立ったドラマチックな優勝となった。青森県出身力士の優勝としては97年十一月場所の貴ノ浪(元大関)以来。

 184㌢、143㌔と力士の中では決して大きくはない。今後は本学出身力士としては輪島に次ぐ2人目の横綱を目指す快進撃を繰り広げられるか―。体つきが似ている昭和の大横綱・千代の富士のような「記録も記憶も残る人気力士」への成長が期待される。

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