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相撲 全国学生 団体連覇 最多V更新30に伸ばす

相撲の全国学生選手権が11月7、8日に埼玉県上尾市の県立武道館で行われ、本学は団体戦決勝で日体大を3―2で下し2年連続30回目の優勝を遂げ、最多優勝回数を更新した。個人戦ではバルタグル・イェルシン(スポーツ科4=日出高=現、目黒日大高)が3位だった。

決勝は苦しい戦いだった。日体大は東日本学生選手権で優勝し、今大会の個人戦では6人がベスト16入りしている強豪。本学の先鋒・草野直哉(文理1‖熊本・文徳高)も個人戦ベスト16入りした実力者だが、昨年の学生横綱である中村泰輝(2)に終始攻め込まれて敗れた。二陣のイェルシンが圧巻の相撲を見せて1―1に戻したが、けがから復帰した中堅の石岡弥輝也(法3‖鳥取城北高)が、個人戦を制して学生横綱になったプレブスレン・デルゲルバヤル(4)に突き落とされ、1―2と後がなくなった。
副将戦は川副圭太(文理3‖熊本・文徳高)。激しい押し合いから一転して右四つの膠着(こうちゃく)状態となった。その後、相手の寄りで俵に足が掛かったが、起死回生の「うっちゃり」で逆転勝ち。2―2で迎えた大将戦では立ち合いで二度、日体大の主将石崎拓馬(4)に突っ掛けられたが、川渕一意(文理1‖石川・金沢学院高)は右から張って、そのまま一気に出て寄り倒し。大一番を制した川渕は何度も拳を突き上げた。
大将戦に挑む直前、「楽にいけ」と川渕に声がかかった。「気持ちが楽になり、自分の相撲を取ろうと思った」と言う通り、相手の揺さぶりにも動じない勝負強さを見せつけた。
Aクラス予選では、初戦で拓大と対戦。東日本学生選手権の団体戦で敗れた因縁の相手だったが、5―0と圧倒。見事に雪辱を果たすと、その勢いで予選を全勝。2位で決勝トーナメントに進み、早大を5―0、長年のライバル東洋大を4―1で下し、決勝に駒を進めた。
初日に行われた個人戦では、決勝トーナメントにイェルシンが進出。準決勝でデルゲルバヤルに上手投げで敗れ、学生横綱には届かなかった。イェルシンの個人戦連勝は22でストップした。

ルーキー大将が大仕事

〇…ルーキー大将が大仕事をやってのけた。日体大を下して優勝に導いた川渕は「4年生と戦って優勝に貢献できてよかった」と話した。
高校時代から何度も大将を務め、高校総体では金沢学院高を団体戦優勝に導いた実力者。2019年の世界ジュニア選手権の重量級で優勝した経験も持つ。常に同世代の第一人者として活躍してきた。
本学入学後もその実力を遺憾なく発揮。全国学生個人体重別選手権の135㌔以上級と東日本学生選手権の個人戦でいずれも3位の好成績を収めている。団体戦でも1年生ながら大将を務めているが、「あまり重圧は感じない」と話すから頼もしい。
Aクラス予選1回戦から決勝トーナメントまでの6試合全てで勝ち名乗りを上げ、抜群の安定感を誇る。185㌢、195㌔の堂々たる体格を生かした力強い相撲を存分に見せた。
「全ての大会で優勝するつもりで稽古に励み、全日本選手権に向けて頑張っていきたい」と今後の目標を話す。
川渕の加入でますます層が厚くなった本学。この男の活躍が団体戦の命運を握る。学生相撲の主役に躍り出る日はそう遠くなさそうだ。

アマ横綱目指す

〇…イェルシンが好調をキープしている。この大会の個人戦では準決勝で日体大のデルゲルバヤルに上手投げで敗れたものの、全国学生個人体重別選手権135㌔以上級と東日本学生選手権の個人戦で優勝。個人戦22連勝を記録するなど、大学最後の年で躍動し、「しっかり稽古を積んできた結果」と自己分析している。
主要な大会に出場するようになったのは昨年の6月からだが、初出場した全日本選手権では準優勝。飛躍への足掛かりをつかみ、学生横綱候補となった。「自信を持って、あまり緊張しないように集中することができている」と成長を実感している。
狙うは全日本選手権でのアマ横綱のタイトル。プロ入りへ、最後の戦いに挑む。

関係者全員で喜びを分かち合った(写真提供・日本相撲連盟)

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