ボクシング世界選手権 坪井日本人初の快挙 バンタム級の頂点を極める

スポーツ

2021.12.9 12:28

ボクシング男子の世界選手権が10月24日から11月6日にかけてセルビアの首都ベオグラードで行われ、バンタム級の坪井智也(2018年商卒=自衛隊体育学校)がウエルター級の岡沢セオン(ⅠNSPA)とともに日本勢初の優勝を果たした。
各国の実力者を次々と倒し決勝に駒を進めた坪井は、決勝でカザフスタンの強豪マフムド・サビルカンと対戦した。
坪井は序盤から積極的に攻めたが、第1ラウンドはサビルカンのカウンターに手を焼き、判定は2―3。しかし、第2ラウンドに入るとワンツーの精度を上げ、このラウンドを5―0で終え、流れを手にした。第3ラウンドは前に出てくる相手を軽快なフットワークでいなし、的を絞らせないまま得意の左フックを再三ヒットさせ、最後まで主導権を渡さなかった。最終判定は5―0で坪井の完勝だった。
日本人初のチャンピオンベルトを手にした坪井は、試合直後「たくさんの応援のおかげで優勝できた。反省点も多いので、早く日本に帰って練習したい」と話した。

快挙も満足せず

〇…終了のゴングと同時に、坪井は勝利を確信し両腕を突き上げ、勝ちを告げられると今度は雄たけびを上げ、涙をこぼした。「今大会は引退も覚悟して臨んだ」。試合後の会見で、背水の陣で臨んだ胸の内を吐露した。
フライ級で出場した19年の全日本選手権決勝で敗れ、東京五輪出場を逃してから2年間ボクシングを見つめ直した。
元来の「好戦的なスタイル」に技術を融合させ、世界でも通用する実力を磨いた。
「勝つというより、平常心で作戦を遂行する気持ちで臨んだ」という決勝戦。第1ラウンドは判定が割れたが、坪井に動揺はなかった。心の余裕と、2年間で作った新しいボクシングスタイルが大一番で坪井を支えた。それでも「最高の舞台で頂点を目指すには一つ一つのパンチの精度がまだ足りない」と自己分析する。
目指すは3年後のパリ五輪。次戦の予定は未定だが、いつあってもいいように常に体をつくり万全の状態で臨む。