競泳陣 五輪内定ラッシュ 長谷川,本多ら8種目V 復活池江4冠

日大スポーツ

2021.4.20 16:56

競泳の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権が4月3日から10日にかけて東京都江東区のアクアティクスセンターで開催され、本学勢は白血病から復帰した池江璃花子(スポーツ科3=東京・淑徳巣鴨高)が女子100㍍バタフライなど出場4種目で4冠を達成する驚異的な復活劇を見せたほか、長谷川涼香(同4=同)、関海哉(同4=豊山高)、小堀倭加(同3=神奈川・湘南工大高)、本多灯(同2=藤沢高)の5人が五輪出場を決める内定ラッシュとなった。また、本学卒業生の寺村美穂(26歳、2017年文理卒=セントラルスポーツ)と豊山高3年生柳本幸之介も五輪出場が内定。本学勢の競泳代表は9種目7人となった。

8日間で計11レースを泳ぎ切った池江は、女子100㍍自由形と100㍍バタフライで優勝し、400㍍フリーリレーと400㍍メドレーリレーの2種目の代表入りを決めた。池江は50㍍自由形、50㍍バタフライも制し、2018年以来となる4冠を達成した。
女子200㍍バタフライの予選を2位、準決勝を1位通過した長谷川は、決勝は前半から飛ばし、100㍍は日本記録を上回るタイムで折り返した。後半は失速したものの2分7秒24で1着ゴール。リオに続き2大会連続の出場を決めた。
長谷川はレース直後のインタビューで安堵(あんど)の表情を見せたが、「このタイムでは世界に及ばない。夏まで練習を積み、今度こそ結果を残したい」と、準決勝敗退だった前回のリオデジャネイロ大会の雪辱を誓った。長谷川は100㍍バタフライでは2位。
男子100㍍自由形の関は予選、準決勝ともに4位。決勝はスタートで少し出遅れ、折り返しの50㍍では6位。しかし後半に力を振り絞り自己ベスト更新の48秒87で3位に入り、男子400㍍フリーリレーで初の五輪出場を決めた。レース後「ずっとこのために練習してきた。夢がかなってうれしい」と話した。
女子自由形の小堀は200㍍、400㍍、800㍍の出場3種目全てで決勝に進出。200㍍自由形は5位となり800㍍フリーリレー代表は逃したが、400㍍を制し、800㍍でも僅差の2位に入り、いずれも派遣標準記録を突破して初の五輪出場を決めた。
本多は男子200㍍バタフライの予選、準決勝とも1位で通過。決勝は150㍍あたりで首位に体半分ほどリードを許したが、残り15㍍付近で追い抜き1位フィニッシュ。初の五輪代表選考会だったが「プレッシャーを楽しんでレースに臨めた」と大舞台での強心臓ぶりを見せ、初の内定を手にした。400㍍個人メドレーは3位だった。
男子1500㍍自由形の尾崎健太(スポーツ科4=東京・立正大高)は自己ベストを5秒近く更新する15分6秒77で2位に入ったが、派遣標準記録を突破できなかった。
卒業生、付属校生も
女子200㍍個人メドレーに出場したベテラン寺村は予選と準決勝が3位。決勝はバタフライと背泳ぎをいずれも3位で折り返し、得意の平泳ぎで一気に差を詰め2位に浮上し、最後の自由形で日本記録保持者の大橋悠依(イトマン東進)をかわし2分9秒55で優勝。同種目で2大会連続の出場を決めた。
男子200㍍自由形に出場した柳本は、決勝レースで日本新記録を樹立した松元克央(セントラルスポーツ)に次ぐ2位で、800㍍フリーリレーの代表が決まった。

まだ速くなれる
○…国民的ヒロインが帰ってきた。驚異の4冠を達成した大会を終え、池江は「まだまだ速くなれる」と自信に満ちた表情で話した。
一昨年2月に白血病を公表。退院は同年12月。実戦に復帰したのは昨年8月29日。1年もたたないうちに表彰台の真ん中に立った。
今大会、最初の凱歌(がいか)を上げたのは100㍍バタフライ。昨年の日本選手権の覇者、相馬あい(ミキハウス)、高校の先輩の長谷川涼香ら実力者を破り3年ぶりの優勝を飾った。タイムは57秒77。2月下旬の東京都OPENでの記録を約1カ月で1・67秒も短縮した。
選手権を控えた3月には、他の選手より体力面が劣っていると自己分析し、自らバタフライの練習量を増やして感覚を少しずつ取り戻して選考会に挑んだ。
「一番選ばれると思っていなかった」種目での400㍍メドレーリレー内定。本人も驚いたが、練習の成果を目に見える形で実感したことが何よりも自信となった。この後、100㍍自由形を含む3種目を制し、400㍍フリーリレー出場も決めた。
「これからの自分に期待したい。あと3カ月で記録をどれくらい伸ばせるか楽しみ」
五輪開幕まであと94日。日本水泳界の至宝がどんな泳ぎを見せてくれるのか。いやが上にも期待が膨らむ。

小堀いざ、夢の舞台へ

〇…「ようやく夢の舞台に立てる」―。400㍍と800㍍の自由形2種目で初の五輪代表内定を勝ち取った小堀は、大会終了後の取材に、あらためて声を弾ませた。
400㍍自由形の決勝では、先行するライバル難波実夢(近畿大1)をラスト15㍍で射程に捉えた。「絶対に負けたくない」と、がむしゃらに泳いで0・02秒の僅差で先着。小堀を高校時代から指導している三好智弘コーチから言われていた「前半は難波選手についていき、最後の15㍍で追い抜く」というプランを見事にやり遂げた。
日本人女子の800㍍自由形の五輪代表内定は2008年の北京五輪以来で3大会ぶりの快挙となった。
「一緒に五輪に出場しよう」とライバル難波と約束して臨んだ決勝。目標の8分25秒台には及ばなかったが、難波に0・06秒差の8分26秒67で2着に入り、二つ目の代表を内定させた。
無論、このタイムでは五輪の決勝には行けない。「本番まで、難波選手と競い合いながら頑張りたい」と目標を語った。
小堀自身の課題は、2月のジャパンオープン後に自ら言及していた水を捉える技術だ。「まだ引っかかりが足りない」というキャッチの技術をさらに向上させ、あこがれの五輪舞台に臨む。