陸上日本学生対抗 男子総合2年ぶり王座奪還 走り幅跳び 橋岡 8メートル29 大会新

日大スポーツ

2020.10.14 14:27

陸上の日本学生対校選手権(インカレ)が9月11日から13日まで新潟県新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで無観客で行われ、本学男子は22種目中6種目を制し、2年ぶり8度目の総合優勝を果たした。
個人では男子走り幅跳びの橋岡優輝(スポーツ科4=東京・八王子高)、同棒高跳びの江島雅紀(同4=神奈川・荏田高)、同400㍍の井上大地(同3=東京高)、同ハンマー投げの福田翔大(同2=大阪桐蔭高)、同400㍍ハードルの山本竜大(大学院総合社会情報研究科博士前期課程1年=千葉・成田高)、4×400㍍リレーの鵜池優至(スポーツ科4=京都市立西京高)、荘司晃佑(同2=千葉・成田高)、井上、山本組が優勝するなど、12種目で表彰台に上がった。
今大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催日数を短縮し、フィールド種目の試技回数を縮小して行われた。
(文=小林莉子)

本学男子はフィールド競技で総合1位、トラック競技で同2位とし、総合得点で2位東海大に37・5点の大差をつけた。
走り幅跳びの橋岡は1回目の試技で7㍍92を記録しトップに立った。さらに最終4回目の試技では8㍍29の大ジャンプを披露。大会記録を塗り替えただけでなく、今季世界最高を記録(9月11日時点)し、2年ぶり2度目の優勝で学生最後のインカレに花を添えた。
400㍍の井上は予選を46秒06の好タイムで全体2位通過。決勝ではラスト100㍍地点でトップに躍り出るとそのまま2位以下を引き離し45秒83でゴール。自己ベストでインカレ初優勝を果たした。
400㍍ハードルの山本は、最後のハードルまで法政大の黒川和樹(1)にリードを許したが、ラスト40㍍で一気に追い上げ49秒12で接戦を制し、2年ぶり2度目の頂点に立った。
棒高跳びの江島は1本目の試技で5㍍30に成功。続く5㍍40も1本目で成功し、この時点で優勝を決めた。一人で挑んだ5㍍50の3本目は雨と左前脚のけがの影響で途中棄権したが、学生最後のインカレで2連覇を達成し有終の美を飾った。
ハンマー投げの福田は3回目の投てきで67・55㍍を記録し2位に立つと、最終4回目の投てきでこの日最長となる69・61㍍を出し、逆転で初優勝を果たした。
4×400㍍リレーでは、首位でバトンを受けた2走の荘司が早大に抜かれたものの、3走の井上が巻き返し後続を引き離してアンカー山本にバトンを託した。山本は早大にいったん抜かれたもののラストの直線で猛追、フィニッシュラインに体を投げ出し100分の2秒という僅差で死闘を制した。

 

理想の跳躍体現

〇 「8㍍29」―。従来の記録を一挙に20㌢も上回る大会新記録がアナウンスされると、橋岡は今季一番の笑顔でガッツポーズを見せた。今季世界最高でありリオデジャネイロオリンピック銅メダルに相当する好記録。世界レベルの実力をあらためて証明した。
昨年11月からの冬季練習では、助走スピードに磨きをかけた。走り込みやウエートトレーニングを重点的に行い、昨年のアジア選手権での秒速10・58㍍をことし2月には同10・65㍍まで上げた。海外トップ選手の秒速10・7㍍~10・8㍍台は目前だ。助走スピードを上げれば、より高い踏み切り技術が求められる。二つが釣り合えば「記録は必ず出る」と橋岡は確信している。
ことし2月の世界室内ツアー最終第7戦(スペイン・マドリード)では8㍍02をマークし4位。好調のシーズンインとなったが、新型コロナウイルスの影響で4月中旬から大学の練習施設が使用できなくなった。それでも、自宅近くの公園で走り込みを行うなどして鍛錬を継続。6月中旬には本格的な練習を再開し、体を作り直すために1カ月間走りこみを中心としたメニューをこなした。
約6カ月ぶりの実戦となった8月末のセイコーゴールデングランプリは優勝したものの7㍍96と不本意な記録、「試合勘や助走の感覚が合わなかった」と振り返った。
それから3週間。森長正樹コーチも認める高い調整力で助走感覚を修正。「地面を捉えて反発をもらう」理想の助走に仕上げ、今大会には「8㍍10超え」を目標に臨んだ。
1回目の試技で7㍍92をマークし首位に立つと、2回目で8㍍06まで記録を伸ばした。3回目はファール。最後となる4回目の試技で、橋岡は深く呼吸を吐き鋭い目つきでトラックを見つめた。助走が始まると磨き上げた走力でぐんぐん加速し大きく飛び跳ねた。
入学当時から「8㍍50越え」という高い目標を掲げ、着実に成長してきた。日本選手権4連覇、日本記録更新、東京五輪でメダル獲得。すべてを実現する準備は整った。まずは10月の日本選手権。同じ舞台で、理想のジャンプを披露する。

20年ぶり悲願のⅤ

〇雨中の激闘となった男子4×400㍍リレー決勝は、本学が早大を振り切り20年ぶり学生日本一のタイトルを手にした。激闘を決したのはアンカー山本の冷静かつ大胆な走りだった。
本学は昨年のインカレで4位。思うような結果を残せず、8連覇を狙った男子総合はわずか4点差で順大の後塵(こうじん)を拝した。そのときの主将だった大学院1年の山本は「ことしこそ優勝し、総合優勝を奪還する」と決意。4年生の鵜池と2年生の荘司、3年生の井上というベストメンバーでエントリーした。
400㍍が専門の井上は大会初日に自己ベストをマークして初優勝。鵜池も同種目で5位入賞と実力を発揮した。山本は最終日の400㍍ハードルで優勝を果たした。「このメンバーなら必ず勝てる」。確かな自信を持ってレースに挑んだ。
1走の鵜池は「1位で荘司にバトンを渡す」と心に決めていた。力強いストライドで一気に飛び出すと、早大を抑え首位で荘司につないだ。荘司はバックストレートで早大にリードを許したものの粘り強い走りで再び差を詰め、3走の井上に託した。井上は早大を猛追。最初のカーブでライバルを抜き去り、後続を大きく離してアンカー山本につないだ。山本は、バックストレートでいったんは早大の伊東利来也(4)にリードを許したが、「ラスト100㍍が勝負」と読み、体力を温存。視界を奪うような豪雨の中、最後のカーブを抜けた瞬間、一気に勝負を仕掛けた。「メンバーのためにすべてを出し切る」という思いで一心不乱に駆け抜け、体を投げ込んだところがフィニッシュライン。
倒れこんだ山本のもとにメンバーが駆け寄り、4人で祈るように結果を待った。バックモニターに「1位日本大学」の文字が映し出されると、「よっしゃー」と拳を突き上げ、スタンドで見守る仲間たちの声援に応えた。
この種目で新たな時代を切り開いた4人の目標は、日大の先輩が2000年にうち立てて以来20年間破られていない学生記録(3分3秒71)の更新。あと0・61秒の壁を10月の日本選手権で超える。