学術ニュース  2019年08月07日 20:29

■文理資料館 華麗な和歌の世界 写本の魅力伝える展示42点

国内における古典文学研究の軌跡を振り返る「華ひらく王朝の和歌―勅撰三代集の世界―」展が6月10日から7月下旬まで、文理学部資料館で開催された。

同学部国文学科で国内の古典文学研究を牽引した岸上慎二・本学名誉教授(2002年没)の旧蔵資料のほか、学部分館収蔵の資料など、王朝時代の華麗な和歌の世界を垣間見ることのできる42点が一般公開された。
 今回の企画は、岸上名誉教授の孫弟子にあたる同学部の久保木秀夫教授(中古・中世文学)が昨年7月に提案。大学院生や学部生らと共に準備を進め、写真と共に資料を詳細に解説した25㌻に及ぶパンフレットも作成した。
 展示資料は鎌倉初期から江戸後期の写本が中心となった。金糸や銀糸の美しい表紙を備えた『二十一代集』(計四十三帖・江戸前期写)や初公開となった室町幕府の第九代将軍足利義尚加筆の『拾遺和歌集』(室町後期写)のほか、百人一首と並び庶民にも親しまれた『三十六歌仙画帖』(江戸前期作)などが含まれている。
 展示テーマにうたわれている「勅撰三代集」は『古今和歌集』『後撰和歌集』『拾遺和歌集』の三つ。天皇、上皇の命によって撰ばれた「勅撰二十一代集」の中でも、和歌の規範として特に尊重される和歌集で、故岸上名誉教授はこの中の『後撰集』の第一人者だった。
 このほか、文字が乱れないよう紙に木材の角を押し付けて目印とする白界(押界)が施された『古今集』の写本など、作成当時の作業が垣間見える資料も公開された。
 久保木教授は「和歌の展示は、文字と紙だけという地味なものになりがちだが、今回は色彩のある写本などを取り入れた。貴重な原本資料を蔵する文理学部の学術文化研究の、深さや広さを是非とも知って欲しい」と話している。
 
 

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パンフレットを携え展示品に見入る学生

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