学術ニュース  2019年07月03日 18:33

■理工 図書館公開講座 水都・江戸から学ぶ 土木技術と都市デザイン

 理工学部は6月7日、同学部タワー・スコラで「水都・江戸は、こうして創られた」をテーマに図書館公開講座を開催、地域住民や学生ら約200人が聴講した。

 来年の学部創設100周年に向けた企画の一つで、五輪開催を前に世界から注目を集める東京に着目し、その前身である江戸の都市開発の歴史を同学部の関文夫教授(土木工学科)と阿部貴弘教授(まちづくり工学科)がひも解いた。
 前半は関教授が「江戸の都市開発の骨格づくりとは」と題し、「水」「道」「物」の三つの観点から徳川家康の社会資本整備について解説。後半は阿部教授が「都市デザインの謎を解く」と題し、地形を重視した当時の技術者の目線に立って、江戸がいかにデザインされたかに迫った。
 「江戸構築の徳川家は百年、二百年先を見越して都市開発を行った」とする関教授は、江戸を洪水から守るため当時江戸湾(東京湾)に流れ込んでいた利根川を62年の歳月をかけて巧みな河川技術で銚子沖に付け替えた大土木事業に触れた。
 さらに、日本橋を基点とした五街道の整備や廻船航路、河川舟運の開発・整備を通じて生活物資の安定供給が実現し、江戸住民の生活が支えられた背景を紹介。「江戸はゴミが一つも出ないサスティナブルなまち。私たちは今一度江戸を見直すべきだ」と述べた。
 都市デザインについて語った阿部教授は、東京は水都・江戸の都市構造を引き継いだが、水辺を楽しむ都市文化は根付かなかったと指摘。「水辺の景観を改善することで東京はより良くなる」と述べた。
 阿部教授はさらに、厳しい地形条件の中で、方位にこだわらない街区配置や敷地割、複雑な水路網の敷設などによって都市としての江戸が形成されたことを明らかにし、「江戸の歴史に学び、東京のまち自体を楽しめるようになるといい」と語った。
 

トラックバック・著作権・リンクについて
トラックバックURL

この記事のトラックバックURL:

このサイト内における全ての文章・画像・図表等の著作権は日本大学新聞社に帰属します
Copyright (C) NIHON UNIV. PRESS All Rights Reserved.