学術ニュース  2019年06月11日 20:11

■理工 重枝教授と畔柳特任教授 科学技術賞を同時受賞

 理工学部の重枝豊教授(建築学)と畔柳昭雄特任教授(海洋建築工学)がこのほど科学技術分野の文部科学大臣表彰による「科学技術賞」を受賞し、4月17日に文部科学省で表彰式に臨んだ。

 重枝教授は建築学を学ぶ国内外の学生の作品展「学生建築設計優秀作品展(レモン展)」を40年にわたって開催、建築学の普及・啓発に貢献。香川大教授らと共同受賞した畔柳教授は、全国の水害常襲地帯の調査を通じて、水防建築における減勢治水や建築的減災、水害時の住民間の相互扶助の必要性などの理解増進に寄与した。
 レモン展は1978年から東京・お茶の水で建築を志す多くの学生や家族、地域の人々に無償で公開されてきた。その原点は、他大生の作品を見る機会が乏しい学生のために、当時本学3年生だった重枝教授が中心となって開催した展示会だった。大学という枠組みを超えて同世代の建築学徒の作品を見る機会ができたことが、学生らには大きな刺激となり、建築設計への意欲も向上した。出展した学生たちは作品の写真や説明の記録を残し、学術的資料として蓄積された。多くの展示会が存続の危機に瀕する中、レモン展だけはバブル崩壊などの経済的危機も乗り越えて受け継がれてきたことが高く評価された。
 重枝教授は「学生が動かなければ何も変わらない。やればできるということが伝わればうれしい」と話した。
 畔柳教授は、水害多発地域に古くから伝わる災害時の知恵や建築のあり方を長年にわたって記録・発信してきた。
 1996年に基本構想に携わった岩手県重茂半島の漁村の津波避難広場が、東日本大震災の津波被災時に多くの住人の命を救った。この震災後も被災地で調査を行い、津波被害のほか避難生活や復旧への取り組みをまとめ、被災時の知恵や村人の自助・共助意識の大切さを発信してきた。
 畔柳教授は「水害常襲地帯の住民は、水を身近なものとして感じ、古くから残る地域社会の絆を大事にしている」と話していた。
 

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表彰式に臨んだ重枝教授(左)と畔柳特任教授

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