学術ニュース  2018年11月28日 18:29

■工 研究室企画が住民に好評 ブックガーデン開催

 秋の風を感じながら公園で読書を楽しんでもらおう――。工学部の住環境計画研究室(市岡綾子専任講師=建築計画)が福島県須賀川市の翠ケ丘公園を〝図書館化〟する取り組みが好評だ。「ブックガーデン」と名付け、11月いっぱいまで2か月限定の社会実験で、週2回、書籍約100冊を本棚ごと持ち込んで公園利用者に「本」と「場所」を提供する。新たな公園の過ごし方として近隣住民に受け入れられつつある。
 

 研究室の学生らが手作りした書架が公園内「憩いの広場」のあちらこちらに置かれる。絵本から郷土関連書籍、文芸書までさまざまな本が並ぶ。平日の昼下がり、訪れた親子は用意されたシートの上に座って絵本をめくり、散歩中の女性はベンチで文芸書を開く。  公園の近所に住む主婦細谷祐子さん(75)は買い物途中に何度も利用しているという。「10月下旬でも陽が出るとぽかぽかする。読書するには絶好だね」。犬の散歩中に立ち寄った主婦山口やよいさん(46)も「思い思いに時間を過ごせる。公園に本があるというのはいい」と話す。  「ブックガーデン」は10月から11月末までの毎週火、土曜日に開催している。多い日は1日に60人が利用する。  市岡講師が海外研修中だった4年前、米ニューヨーク市で目にした光景から企画の着想を得た。公園の管理者が毎週決まった日に書架を園内に置き、それを知っている市民が読書を目的に公園を訪れていた。  「これは日本でも受け入れられるのでは」。市岡講師はアイデアを具体化し、同県会津坂下町の私設図書館「ふくしま本の森」と公園の利活用を模索していた須賀川市の協力を取り付け、昨年11月とことし5月に数日間、実験的に開催。好評だったことから、今回、2か月間の開催にこぎつけた。  図書館から借り受けた本は300冊。日によって持ち込む本を替え、午前10時から午後4時まで自由に公園内のみで読書を楽しむことができる。雨天時は公園内の施設で開いている。  修士2年生の相田快さんは、ある母親から「子どもを遊ばせながら、自分も読書を楽しめてとてもいい」と声を掛けられたことが印象に残っている。〝公園内図書館〟が好評なのは「老若男女問わず集まり、思い思いに時間を過ごせる空間と読書の相性が良いから」だと考えている。  開催中は相田さんら「公園班」の学生数人が常駐。利用者への聞き取り調査を行い、成果を論文にまとめるという。  市岡講師は「公園の新たな利活用法として注目してもらえれば」と話している。
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ブックガーデンを運営する住環境計画研のメンバー=10月23日午前、福島県須賀川市で
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