学術ニュース  2018年11月06日 20:33

■ドーピング撲滅を啓発 「体育の日イベント」 ブランディング事業の一環

 本学薬学部主催の「体育の日イベント」が10月7、8の両日、同学部キャンパスで開かれた。昨年11月に文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」に採択された研究「スポーツ日大によるアンチ・ドーピング教育研究拠点確立とポストオリンピックへの展開」の一環。当日は幅広い世代にドーピング撲滅の意義と幼少期からの教育の必要性を訴えた。

 8日はスピードスケートの元五輪代表で日本アンチ・ドーピング機構(JADA)アスリート委員を務める鈴木靖氏(56)が「オリンピック選手から学ぶ健康な身体づくり」と題して講演。一流選手が禁止薬物使用への誘惑に駆られる心理やその防止策などについて語った。鈴木氏はまず、薬物禁止規定がほとんどなかった現役時代を振り返り「『鈴木もやらないか』と誘われたことは何度もある。海外では多くの選手が薬物に頼っていた」と明かした。
 鈴木氏は講演の中で日本人選手が関わった28年度のドーピング発覚件数は6件だったと紹介。その多くが一流選手だった点に着目し、W杯優勝経験のある自身を重ね、「発展途上の選手はとにかく練習に打ち込むが、優勝すると『次も勝てるか』という強い恐怖に襲われて薬物を使ってしまうのでは」とドーピングに至る心理を解析した。
 現在、JADAで選手のドーピング検査に携わる鈴木氏は、小規模なチームに所属する学生アスリートが、知識がないまま安易に薬物に手を出しやすいと指摘。その上で、市販薬の成分で陽性反応を出してしまう「うっかりドーピング」も含め「どのように若いアスリートを救っていくかが今後の課題」と述べた。
 最後に「日本の検査技術は〝世界のバイブル〟と言われるほど精密だが、小学生から薬物の授業がある他の先進国に比べると遅れている」とし、幼少期から薬物についての教育の必要性を強調した。

201810-sportdayevent_suzuki.jpg
ドーピングの歴史を紹介する鈴木氏=10月8日
トラックバック・著作権・リンクについて
トラックバックURL

この記事のトラックバックURL:

このサイト内における全ての文章・画像・図表等の著作権は日本大学新聞社に帰属します
Copyright (C) NIHON UNIV. PRESS All Rights Reserved.