総合ニュース  2018年08月07日 11:57

■再生医療シンポ開く DFAT、臨床応用の道探る

 本学医学部の松本太郎教授(再生医療)と生物資源科学部の加野浩一郎教授(細胞・発生生物学)が共同で開発した脱分化脂肪細胞(DFAT)による再生医療実用化の道を探るキックオフ公開シンポジウムが7月19日、日本大学会館大講堂で開催された。

 DFATは、ヒトなどの成熟脂肪細胞を特殊な方法で培養して骨や筋肉などに分化できる状態(脱分化)に戻した細胞。再生医療の分野で注目されるiPS細胞はあらゆる細胞に分化するが、ガン化の危険性もある。DFATは分化できる組織は限られているものの、ガン化しにくく安全な移植が可能とされる。
 今回のシンポジウムではヒトの動脈末梢(まっしょう)血管の疾病への可能性が報告され、研究者のほかに医療関連企業の関係者が出席して最先端医療の可能性に耳を傾けた。
 加野教授は、DFATを培養する際の継代回数が多分化能及び増殖能に影響を及ぼすことを明らかにし、3~5継代した細胞が移植治療に適していると報告。
 松本教授は、DFATは少量の脂肪組織から大量調製が可能であるとし、外科手術の際に「医療廃棄物」として破棄される脂肪組織を用いた実験から「細胞の提供者の年齢や基礎疾患とは関係なく、DFATを作製できる」ことを明らかにした。また、天井培養と呼ばれる特殊な培養方法に関しては、企業と共同で培養効率が高く取り扱いが容易な容器が開発されたことを報告した。
 その上で松本教授は、DFAT治療の今後の可能性について「将来的には万人に適用可能な未来の一般医療となる可能性を秘めている」と締めくくった。

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       講演を行う松本教授

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