学術ニュース  2018年08月07日 11:47

■危機管理朝鮮半島シンポ 専門家4人が討議 非核化難しい 認識で一致

 危機管理学部危機管理学研究所(所長=福田弥夫同学部長)は7月20日、シンポジウム「朝鮮半島情勢の行方―日本の安全保障を考える―」を三軒茶屋キャンパス1号館3階1310教室で開催した。

 6月の米朝首脳会談で急展開した朝鮮半島情勢を受けて開催されたもので、4人の専門家がパネリストとして出席。同学部の小谷賢教授(国際政治学)の司会で、首脳会談で宣言した「朝鮮半島の非核化」の行方や日本の安全保障への影響などについて約2時間にわたって討議した。どの出席者も、米朝首脳の劇的な会談が実現したにもかかわらず北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させることは依然として容易ではないとの認識で一致した。
 パネル討議で拓殖大大学院の武貞秀士特任教授(朝鮮半島情勢)は、北朝鮮の完全な非核化は困難であるとの認識を示し、トランプ政権は非核化に向けて時間をかける可能性が高いとした。その上で、日本は「朝鮮半島の平和統一に向け側面から協力すべきだ」と提言した。
 日米関係を軸にしたアジア安全保障などが専門の渡部恒雄・笹川平和財団上席研究員は、米国の視点から半島情勢を分析し、トランプ政権の「入口政策」は緊張を緩和したという点で評価されるが、はっきりとした「出口政策」を持たないとして、北朝鮮の核放棄には懐疑的な見方を示した。
 川中敬一同学部教授(中国戦略思想)は、東アジア情勢全般に果たす中国の役割に言及。中国の対外戦略の核心的な問題は台湾統一であり、その基本戦略は自国の核戦力優位を維持し対米対等を維持する点にあると解説した。
 民間シンクタンク平和・安全保障研究所の西原正理事長は、北朝鮮の非核化が進んでも必ずしも日本にとっていい結果になるとは限らないと強調した。西原氏は、日朝首脳会談が実現したとしても成果はあまり望めないと述べ、日本としては「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化と短中距離ミサイルの廃棄を求めるべきだ」とした。

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             朝鮮半島情勢について議論するパネリスト

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