学術ニュース  2018年07月04日 21:15

■工 衝突実験用のダミー デザインコンペで最優秀賞

 工学部のバイオメカニクス研究室が開発した、交通事故に伴う腰椎傷害を評価できるダミーが、2018年学生安全技術デザインコンペティション日本大会決勝(ことし3月)で最優秀賞を受賞した。

 腰椎骨折は、車の衝突時に上体が過度に屈曲することで腰椎の腹部側が圧迫される圧迫骨折と、衝突時に車が浮き上がり下側からの突き上げによって腰椎全体が圧縮される破裂骨折がある。
 同研究室が09年から日本医科大学付属千葉北総病院と共同で実施した交通事故実態調査では、シートベルトを締めていても車の衝突時に腰椎が骨折する事例が多いことが判明したが、この時点では、実験で腰椎の損傷を評価できる既存のダミーはなかった。
 これを受け、昨年の大会で腹部の傷害を評価できるダミーを発表していた同研究室は、腰椎骨折を再現できる機能を加えたダミーを提案した。
 新機能は腰椎のCT画像をもとに設計。人間の腰椎を縦に重ねたゴムブロックで再現した。ゴムブロックの間には椎間板に見立てたステンレス板を挟み、全体を貫くようにフレキシブルアームを通し、衝突時の脊椎の屈曲を再現できるよう調整。さらに、ゴムブロックの腹部側、中央、背中側の3カ所に荷重計を配し、圧迫骨折と破裂骨折の双方を評価できるようにした。こうして製作したダミーで事故の再現実験を行ったところ、正確に傷害を評価できることが分かった。
 安全コンペは国土交通省の主催で、学生が自動車の安全技術を向上させるアイデアを競う場として05年に設けられた。日本大会は2年に1度の世界大会の予選を兼ねるが、ことしは世界大会の開催年ではないため、今回最優秀賞を受賞したチームは来年の書類選考が免除され、決勝大会に進出できる。
 同研究室代表の小島巧さん(工学研究科機械工学専攻博士前期課程)は「ダミーで得られた情報を実車両に生かしていくことが大事。世界大会に出場できるように頑張っていく」と話した。

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             バイオメカニクス研究室のメンバー

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