学術ニュース  2018年06月06日 18:20

■生物資源科 山田教授らに育種学会賞 優良ブドウ品種開発

 生物資源科学部の山田昌彦教授(果樹育種学)が代表を務める国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の果樹茶業研究部門ブドウ「シャインマスカット」育成グループが、このほど日本育種学会賞を受賞した。国内で急速に普及が進む大粒のブドウ品種「シャインマスカット」を育成した功績が評価された。

 生食用ブドウは、原産地の違いによって欧州ブドウと米国ブドウに大きく分けられる。欧州ブドウはかみ切りやすい肉質が特徴で、一部の品種に「マスカット香」と呼ばれる特有の芳香がある。しかし、日本のような多雨地域では、病害が多く発生する上、皮が裂ける裂果が起きやすく、国内での生産は少なかった。一方、米国ブドウは病害や裂果が発生しにくく、広く栽培されてきた。
 同グループは、米国ブドウの持つ耐病性・耐裂果性と欧州ブドウの食味を兼ね備えた品種の育成を目指し、欧州ブドウと米国ブドウの交配を重ねた。そして、1988年に行った交配から、15年をかけて「シャインマスカット」を開発することに成功した。
 「シャインマスカット」はかみ切りやすい肉質で、マスカット香を持ちながら、裂果しにくく一定の耐病性もある。日本で広く普及できる優れた品種となった。さらに、種無しにして皮ごと食べられることから、国内の消費需要も高い。
 苗木販売が開始された2007年以降、急速に栽培面積が増加し、現在国内で栽培されているブドウの品種では、「巨峰」「デラウェア」「ピオーネ」に次ぐ第4位の栽培面積となっている。今後も生産が大きく拡大することが見込まれている。
 山田教授は「消費者と生産者のお役に立つことができた。品種改良に携わった方々と共に、労苦が報われた思いでいる」と話した。
 山田教授は農研機構で長くブドウとカキの品種改良に従事した後、16年から本学に勤務している。

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       日本育種学会賞を受賞した山田教授

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