総合ニュース  2018年05月10日 21:34

■私立大学研究ブランディング事業 スポーツの健全な環境守れ 反ドーピングでシンポ

 3月10日に開催されたシンポジウム「スポーツ日大によるアンチ・ドーピング教育研究拠点確立とポストオリンピックへの展開」は、本学が「真のスポーツ振興の旗手」としてのプレゼンスを示す格好の機会となった。本学の教職員をはじめとする各界の専門家は、摘発を逃れようと巧妙化する一方のドーピング技術への対抗策やサプリメント摂取などによる「うっかりドーピング」の防止といった課題について、さまざまな観点から報告・提言を行った(3月号で一部既報)。

 研究代表者である薬学部の榛葉繁紀教授は、この事業の3本柱として、アンチ・ドーピングの啓発教育などに資する教育プログラム・情報ツールの開発、将来のトップアスリートから一般市民・子どもまでを対象とした啓発活動、巧妙化するドーピングの解決に貢献する技術の開発を挙げた。
 榛葉教授はその上で、開発した啓発教材をアスリートのほかスポーツ専門の薬剤師などに配布しアンチ・ドーピング文化と倫理観の成熟を目指すべきだと強調。また、禁止薬物の検出技術については単に化合物を検出するのみではなく服薬時間を同定する技術開発が必要との考えを示した。
 特別講演者として登壇したスポーツ庁の今泉柔剛国際課長は、検出困難とされる「遺伝子ドーピング」などに対する新たな検出技術の開発が急務であるとし、従来の検査で捕捉できないドーピングに対する分析機能の強化といった対応を進めなければならないとの考えを示した。
 一方、日本アンチ・ドーピング機構の浅川伸専務理事は分析方法の改良で以前より違反を捕捉できるようになったと報告。その上で、浅川氏はスポーツを通した社会復興を遂げるためには、スポーツが健全に発展し、かつその価値が正しく評価される環境(フェアネス)があって初めて価値が保たれると強調した。
 浅川氏は、アスリートがスポーツの価値について考え、自らメッセージを発信する「気付き」を与えるのがアンチ・ドーピングの活動であると締めくくった。
 さらに、本学薬学部薬剤師教育センターの安部恵准教授は「うっかりドーピング」問題を採り上げ、スポーツにいそしむ子どもたちがプロテインやサプリメントを摂取することが多くなる中で、意図せずに原因物質が体内に取り入れられてしまうケースがあると報告した。
 また、スポーツをする側が自ら判断する力を養うだけでなく、見る側や支える側もアンチ・ドーピングに関する知識を身に付け、この問題への認識が深まっていくことを望ましいと話した。

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