学術ニュース  2017年10月26日 19:06

■高野教授らが世界初の発見 特殊な炭素を宇宙で検出

 工学部の高野秀路教授(総合教育)が参加する東京理科大学中心の共同研究チームが9月28日、宇宙の分子雲から世界で初めて直線炭素鎖分子C7Hの検出に成功したと発表した。

 直線炭素鎖分子は、黒鉛、ダイヤモンドに次ぐ炭素の「第3の形態」とされる。地球上には天然で存在せず、宇宙空間にのみ存在する。今回検出したC7Hは炭素原子が7個連結している。
 地球上の生命の起源については長年の議論があるが、原始地球で最初の有機物は宇宙からもたらされたという学説が有力だ。多くの有機物は直線炭素鎖分子などが化学進化したものとされており、今回の発見は原始地球にもたらされた有機物の起源の解明につながると期待される。
 共同研究チームは2015年から米バージニア州のグリーンバンク100㍍電波望遠鏡で1年間観測を行った。観測対象は地球から約500光年離れた低質量星形成領域L1527。宇宙に存在する分子はそれぞれの種類で異なった周波数の電波を放つ。L1527で検出された電波を解析したところ、地球で人工的に作ったC7Hが出す電波と周波数が一致したため、C7Hの存在が確認された。
 ガスやちりが集まる分子雲から成るL1527では、炭素原子が5個以下の短い直線炭素鎖分子が多く観測されており、炭素原子が5個を超える長い直線炭素鎖分子はほとんど存在しないとする通説が覆された格好だ。
 高野教授は「粘り強く観測したから新発見ができた。この発見はさらに長い直線炭素鎖分子が存在する可能性を示している」と語った。

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