学術ニュース  2017年05月24日 19:18

■生物資源科 ヒラムシの生態で新発見 フグの毒化に寄与か

 生物資源科学部の糸井史朗准教授(水産化学)の増殖環境学研究室はこのほど、オオツノヒラムシが持つ神経毒テトロドトキシン(TTX)の量が成長に伴う体重増に比例して増え、産卵によって子孫に毒が伝えられていることを突き止めた。

 研究成果は学術論文誌『マリン・ドラッグス』電子版に掲載された。
 オオツノヒラムシは浜辺の石の下に生息するプラナリアに近い扁形(へんけい)動物で、近縁のツノヒラムシとともにTTXを保有することが知られている。
 フグ毒として知られるTTXは、海洋細菌が生産した後、食物連鎖を通じてより高次の捕食者の体内に蓄えられる。フグの場合も卵巣にためられた毒が次世代に伝えられ、天敵から身を守る役割を果たしているとされる。
 糸井准教授らの研究成果は、オオツノヒラムシの体内でも同様の機能が働いている可能性を示している。
 研究室は2015年4月から16年12月にかけて、神奈川県葉山町の岩礁域でオオツノヒラムシを継続的に採取、生態を調べた。その結果、体重とTTX量はともに8月から増え始め、産卵期の4月ごろにピークを迎えた。産卵を繰り返すにつれ体重は急激に減少した。卵やふ化した幼生は強い毒性を示し、ヒラムシの子孫が親から毒を譲り受けていることも明らかになった。
 糸井准教授は「ヒラムシがフグに捕食されることによってフグの毒化に寄与している可能性がある。今後は関係性を詳しく調べたい」と話している。

ヒラムシ201705.JPG
           糸井准教授らが飼育しているヒラムシ

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