総合ニュース  2016年10月20日 20:53

■創立130周年シンポジウム 安保、危機管理を議論石破元防衛相が基調講演  

本学が2019年に創立130周年を迎えることを記念し、読売テレビ(本社・大阪)の報道番組「ウェークアップ!ぷらす」と本学が共催するシンポジウム「『どうなる日本!?』~この国の危機への処方箋~」が10月1日、東京都港区のホテルオークラ東京で開催された。元防衛相の石破茂衆院議員ら外交・防衛の要職を経験した4人と本学危機管理学部の福田充教授(危機管理学)がパネリストとして出席。国防やテロ、危機管理など日本が直面する課題をめぐって約3時間にわたって討論した。

シンポジウムは同番組キャスターの辛坊治郎氏と森麻季氏の司会でスタート。冒頭、大塚?兵衛学長が「国内外でテロや自然災害が多発し、東アジア情勢は緊迫している。こうした分野での危機管理に活躍できる人材を育成したい」とあいさつした。
 第1部は石破氏が「危機管理・日本を守ることとは」と題して基調講演した。石破氏は、成立から1年を迎えた安保関連法制定の過程で論議を呼んだいわゆるグレーゾーン事態への対処をめぐる問題に言及。自衛隊と警察とでは対応できる分野が全く異なると指摘した上で、警察力でグレーゾーン事態に対処できるとする議論に対し「国の独立を守るのが軍隊の役割。国家主権が外国勢力に侵されているときに、警察権だけで対応するのは極めて難しい」と述べ、さまざまな事態に切れ目なく対応できる法整備が必要だと訴えた。その上で「あらゆる事態を想定して法律、人員、装備などを万全にし、四六時中どう対処するかを考えなければ危機管理にならない。有事の際に六法全書を開くのではどうにもならない」とした。
 第2部は石破氏に加え、福田教授、元外務副大臣の城内実衆院議員と中山泰秀衆院議員、元・在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長のロバート・D・エルドリッジ氏がパネルディスカッションをした。
冒頭、辛坊氏が各パネリストに日本が抱える領土問題についての見解をただした。
エルドリッジ氏は「尖閣諸島は早い段階で公務員の常駐、港の整備などをしておくべきだった。行政上の不作為はいずれ軍事的な対処を要請する」と述べた。
福田教授は、安保関連法に関する18歳以上の国民500人の意識調査結果を示し「内容への反対意見より、国会での手続きに批判的意見が多い」と指摘。これに対し城内氏は「衆参合わせて200時間以上議論した。極東の安全保障が揺らぐ中で早く決めることも必要」と反論。石破氏は「今後も地道な説明は大切」として国民の理解を求める努力の必要性を説いた。
城内、中山両氏は、副大臣時代に日本人が被害者となったテロ事件の指揮を執った経験を踏まえ、インテリジェンス機関の必要性を訴えた。
一方、福田教授は「テロ対策やインテリジェンスの強化も必要だが、通信傍受や監視カメラによる人権侵害の可能性も念頭に、安心・安全と自由・人権のバランスをどう取るか議論すべきだ」と述べた。
石破氏は「日本に残された時間は多くない。問題を先送りせず政治家としての覚悟を持って臨みたい」と述べ、シンポジウムを締めくくった。
会場には本学関係者のほか多くの一般聴講者が来場した。
 
 130.JPG
             外交・防衛の論客5人が、日本の問題を議論
 

トラックバック・著作権・リンクについて
トラックバックURL

この記事のトラックバックURL:

このサイト内における全ての文章・画像・図表等の著作権は日本大学新聞社に帰属します
Copyright (C) NIHON UNIV. PRESS All Rights Reserved.