学術ニュース  2016年10月20日 18:48

■生物資源科 佐藤准教授に獣医学会賞 原虫の鳥への感染経路解明

生物資源科学部獣医学科の佐藤雪太准教授(寄生虫学)がこのほど、第159回日本獣医学会学術集会で日本獣医学会賞を受賞した。同学会では最も名誉ある賞とされる。

 受賞研究課題は『鳥類血液寄生原虫の感染経路の解明と野生動物医学への応用』。鳥にとって致命的となる鳥マラリアなどの血液原虫感染症について、国内では不明だった感染経路を解明。動物園などの動物の感染症対策に貢献した。
 佐藤准教授らは、原虫に感染したライチョウなどの鳥類を調査する中で、鳥の血液から検出した原虫と、蚊やブユなどの吸血昆虫の体内から検出した原虫のDNAの塩基配列が一致することを突き止めた。
 このことから佐藤准教授らは、蚊やブユが宿主鳥類を吸血する際に原虫が鳥類に伝播(でんぱ)し、さらにその鳥類から別の蚊やブユが吸血して感染が拡大するメカニズムを解明した。
 この成果は動物園や水族館の野生動物などを感染症から守る上で役立つ。例えば、飼育鳥類の体内に寄生する原虫と、周辺環境に生息する吸血昆虫の体内の原虫とが同じDNA塩基配列であれば、感染経路が特定でき、媒介者となる昆虫を駆除することで感染防止が期待される。
 佐藤准教授らは現在、国内の40以上の動物園などとこの感染防護に取り組んでいる。
 佐藤准教授は「本研究は本学に着任した2002年から開始した。今回の受賞は本学の充実した研究施設と組織力と、優秀な学生達の努力のおかげだ」と話している。

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    佐藤准教授は賞授与式の後に講義を行った
 

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