学術ニュース  2015年10月23日 19:06

■国際衛星会議 共同論文が最優秀賞 衛星通信の高効率化を提案

 生産工学部の田中將義教授(ワイヤレス通信工学)と大学院生産工学研究科博士前期課程をことし3月修了した大窪崇宏さんの共同論文が、9月初旬に豪州のゴールドコーストで開催された米航空宇宙学会の国際衛星通信システム会議で最優秀論文賞を受賞した。

 同会議は衛星通信分野で最も権威のある国際会議。世界各国から投稿された80件以上の論文の中で最も高い評価を受けた。
 「空間重畳型高効率32APSK伝送システム」と題した論文で、田中教授らは衛星通信の高効率化技術を提案した。
 衛星通信は通常、デジタル信号(情報)に応じて波の振幅や位相を変調させ情報を送信する。その中でも4Kや8Kなどの衛星通信、衛星放送は、高速かつ大容量の通信を要するため、1回の変調で5ビットの情報を送ることができる32値振幅位相変調(32ASPK)という変調方式に注目が集まっている。
 32APSKの変調波は大量の情報が伝送可能な半面、情報量が多いため信号を電波に載せる際に高い電力をかけ振幅を拡大させる必要があり、コスト面に課題がある。
 田中教授らの方式は、32APSKの波を電力増幅器で一括して増幅する従来の方式に代え、2ビットの情報を持つ変調波と3ビットの情報を持つ変調波の2波に分けて増幅し、空間で合成することで送信の際の消費電力を半減できる。これにより、送信の低コスト化に道を開く可能性がある。
 田中教授らは、空間合成時に伝搬路長の違いなどで2波の振幅と位相に誤差が生じ通信性能を劣化させないよう、適切な配置を施した送信アンテナも併せて考案。海洋資源捜査船からの高精度の画像伝送などへの応用も期待される。
 

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