学術ニュース  2015年08月17日 15:09

■日藝賞 荒井さんが記念講演 「柔軟な思考を忘れないで」 

 第9回日藝賞を受賞した絵本作家でイラストレーターの荒井良二さん(58歳、1980年美術学科卒)の受賞記念講演会が6月19日、芸術学部江古田校舎で行われ、約250人が約1時間半にわたった荒井さんの話に耳を傾けた。

 荒井さんは、学生時代に書店に通い詰め、時間が許す限り絵本を読み続けたという思い出から語り始め「絵本には必ずしも起承転結は必要ない」という独特の絵本観を披露した。
 2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞したが、絵本などに関する国内賞との違いについて「話の内容や道徳を重視する日本。純粋に絵を評価するスウェーデン。批評する側の視線が全く違う」と述べ、欧州では絵本の物語性よりも絵そのものの芸術性や独創性を評価する傾向が強いことを明らかにした。
 まだ無名だったころの苦労話について質問された荒井さんは、若いころには参考書の挿絵など「小さい」仕事をしていたが、無名ながら仕事が速くて絵もうまい先輩が身近にいたことを挙げ、「知名度の高い、低いでその人の力量を判断するのは間違いかなと思うようになった」と答えた。
 読書からは何を学べるのかという質問には「特に本から学ぶということはない。参考資料として読むとつまらなくなる。あくまで楽しみのために読む」と述べた。
 最後に「大人になると頭が固くなりがちだが、柔軟な思考を忘れないでほしい」と学生に向けてエールを送った。
 
 荒井さん.JPG  
約250人の学生に向けエールを送った

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