学術ニュース  2014年11月25日 16:18

■グッドデザイン賞 滝見橋と軽トラ屋台 アイデア生きた2作受賞

 2014年度のグッドデザイン賞に本学関係者の二つの作品が選ばれた。理工学部の天野光一教授(景観工学)らが手掛けた「滝見橋」(橋長39㍍、幅員2・5㍍)と本紙OBで建設会社を経営する海野洋光さん(51歳、1986年工学部建築学科卒)が南雲デザイン事務所と共同製作した軽トラ屋台「K mobile」。軽トラ屋台は同賞ベスト100と特別賞のものづくりデザイン賞(中小企業庁長官賞)にも選ばれた。

 「滝見橋」は名勝「白糸の滝」(静岡県富士宮市)下流に架かる橋だ。橋の架け替え計画が浮上したのは約2年前。同市が「滝周辺の景観を良くしたい」と立ち上げた白糸の滝整備委員会に天野教授と関文夫教授(構造工学)が加わった。仲村成貴准教授(地盤工学)は関教授に協力を依頼され、計画に参加した。
 白糸の滝は「富士山」世界文化遺産の構成資産の一つ。架け替えに当たっては地形の改変を最小にし、耐久性に優れた構造を採用し、滝の眺めや撮影空間を配慮して架橋することが求められた。
 天野教授は、滝の裾にあった古い建物を移転させ、滝見橋の位置を白糸の滝からあえて遠ざけることで景観に人工物が入らないよう工夫した。
 設計を担当した関教授は、人目に触れない地中でもコンクリート使用を最小限に抑え、橋の欄干にはさびにくいアルミを使用した。親柱や歩道には過去の富士山噴火の際に噴出した溶岩「大沢石」を利用した。仲村教授は振動測定によるモデル橋梁の強度測定を担当し、最も耐久性に富む橋梁モデルの選定に貢献した。3人の努力が実を結び、地形の改変が少なくスレンダーで耐久性の高い「バランスド扁平アーチ」という新構造の橋が生まれた。
 天野教授は「初めての賞でうれしい。この賞を取ったことで市民に橋の良さを理解してもらえると思う」と話した。
 軽トラ屋台「K mobile」は、いわゆる軽トラ市で物品を販売する「独自産業家」を支えたいという海野さんの思いが結実したものだ。一昨年の冬ごろに製作を決意。昨年6月には皇居周辺の外灯を手掛けた南雲勝志さんが代表を務める南雲デザイン事務所にデザインを依頼。ことしの3月に完成した。
 海野建設が所在する宮崎県の杉材をふんだんに使い、着脱可能な屋台や地域再生のためのサービスを掲げた点などが評価された。「K mobile」は屋台を荷台に積む方式(写真)のほか、木製ないしはスチール製のテーブルを開く方式の3種類あり、既に8件の注文がある。
 海野さんは「自分たちの作ったものが専門家に認めてもらえてうれしい。大学時代に学んだものづくりや企画力が生きた」と語った。

滝見橋●.jpg 

軽トラ屋台●.jpg
          白糸の滝の滝見橋(上)と軽トラ屋台

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