総合ニュース  2014年05月25日 11:43

■理工宮崎研究室 日大衛星24日に打ち上げ 宇宙で三角形の膜を展開 陽光発電の実証へ

 理工学部の宮崎康行教授(航空宇宙工学)研究室が開発した小型人工衛星「SPROUT」が5月24日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる。

 成功すれば2008年にインドで打ち上げられ、現在も地球を周回しているSEEDSⅡに次ぐ2機目の〝日大衛星〟となる。
 SPROUTは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」を打ち上げる「H―ⅡA」ロケット24号機に相乗りする副衛星として打ち上げられる。H―ⅡAには東北大の「RISING―2」、和歌山大の「UNIFORM―1」など計4機が相乗りする。
 SPROUTは、SEEDSⅡに続くプロジェクトとして05年の冬に開発が始まった。本体は1辺約20㌢の立方体で、重さは約7㌔。打ち上げ時には箱に入っていて、ふたが開くと中のばねに押されて衛星が宇宙空間に放出される「びっくり箱」のような仕掛けになっている。放出後は、折り曲げても復元しやすい素材でできた4本のアンテナを伸ばす。
 主な任務は「複合膜面構造物の展開」と「アマチュア無線家による衛星利用」だ。複合膜面構造物は、窒素ガスを充てんして膨らませる2本のチューブの間に、1辺約1・5㍍のほぼ正三角形の膜を張った形状で展開する。膜の厚さはわずか12・5マイクロ㍍。宇宙空間で太陽光発電を行う実証研究などへの応用が期待されている。また、前回のSEEDⅡに続きアマチュア無線家による衛星利用も行う。今回は、希望の多かった、搭載カメラによる宇宙空間からの撮影が可能になる。スロースキャンテレビジョンという技術で、電波を用いて衛星からカラー静止画を地上に送る。打ち上げ3カ月後から宮崎教授らが試験運用し、一般向けには早ければ1年後に予約を開始する。
 今回が初めてとなる日本での打ち上げについて宮崎教授は「JAXAの安全条件に対応するのに苦労した」と話した。安全条件とは、部品の不具合による誤作動を防止するためのシステムを搭載することで、今回は、衛星がロケット内で飛び出すのを防ぐためにスイッチを三つ設けるなどの工夫をした。
 打ち上げは午後0時5分から同20分の間に行われる予定。SPROUTは打ち上げ後約98分で理工学部船橋校舎の上空付近に到達し、3号館屋上のアンテナで電波を受信して打ち上げの成功を確認する運びだ。宮崎教授は「ただただ成功を祈る」と期待を込めた。
 打ち上げの模様は、一般向けにネットテレビのニコニコ生放送が中継し、理工学部船橋校舎では同学部教職員、学生らがJAXA提供の中継映像を見守る。

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