学術ニュース  2013年12月14日 14:37

■理工 根来研究室開発の速報システム 新星爆発観測に貢献

 理化学研究所を中心とする日本の研究グループがこのほど、世界で初めて、新星爆発の瞬間の観測に成功。

 この快挙に理工学部物理学科の根来均教授(宇宙物理学)研究室の開発した情報処理システムが貢献した。
 同グループは国際宇宙ステーションに搭載している「全天X線監視装置」(MAXI)を用いてガンマ線バーストやX線新星などX線を放つ天体を研究している。MAXIは同グループが開発したX線観測装置で、従来のX線観測装置が定点観測に特化しているのに対し、視野の広い高感度X線カメラを用い全天を常時観測することができる。2009年に運用を開始し、11年11月には地球から22万光年離れた小マゼラン星雲に低エネルーながら非常に大量のX線を放つ天体「MAXI J0158―744」を発見した。
 根来教授の研究室はMAXIの観測データを処理するシステム開発を担当しており、10年には未知のX線天体を自動的に検出して研究者間のネットワークに通報する速報システムを開発した。J0158―744はこの速報システムにより発見後わずか40秒で全世界に通報され、米国の観測衛星などが追観測を行うことができた。
 さらにこれらの観測データを解析した結果、J0158―744は白色わい星の表面にたまったガスが核融合爆発を起こし急激に明るくなる新星爆発という現象であり、MAXIは新星爆発の瞬間を観測していたと結論付けた。新星爆発の直後にX線や紫外線が放出され得ることは理論上予測されていたが、実際に観測された例はなく、世界初の快挙となった。
 J0158―744には従来の理論では十分に説明ができないデータが多く、同グループは新星爆発の理論に大きな修正が必要となる可能性があると指摘している。

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