学術ニュース  2013年05月28日 18:17

■生物資源科 春見教授に日本農学賞 糖質素材の大量生産可能に

 日本農学会主催の第84回日本農学大会が4月5日に東京都文京区の東京大学で行われ、生物資源科学部の春見(かすみ)隆文教授(微生物酵素科学)が日本農学賞と読売農学賞を受賞した。

 これまで性質や機能がよく分からなかったエリスリトールと呼ばれる糖質素材の生産方法を確立し、利用分野を拡大した業績が評価された。日本農学賞は農学研究で最も栄誉ある賞で、読売農学賞は日本農学賞受賞者に読売新聞社から贈られる。今回の受賞者は7人。
 エリスリトールは微生物が高浸透圧下に置かれた時などに生成する保護物質で、自然界にごくわずかしか存在しない。これまで効率的な生産方法がなく詳しい研究ができなかったが、春見教授は、樹液や果実の中にすみ、ブドウ糖を効率的にエリスリトールに転換する微生物を発見。エリスリトールの大量生産に道を開いた。現在、ブドウ糖からエリスリトールへの変換率は約40%だが、将来的には理論値である60~70%に近づけたいという。エリスリトールはゼロカロリーの甘味料などとして利用できるが、最も期待されているのはバイオ樹脂などの原材料「バイオポリオール」としての活用だ。
 春見教授は「微生物の変換機能を利用した物質生産の研究は、農学賞の中ではマイナーな分野なので受賞には驚いた。実用可能なレベルまで研究を進めていきたい」と語った。

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