学術ニュース  2013年04月25日 16:49

■理工 根来教授考案の解析法 ブラックホール解明に前進

 理工学部の根来均教授(宇宙物理学)が考案したデータ解析手法が、ブラックホールの存在の直接証明に近づく成果を生んだ。

 本学、理化学研究所、京都大、東京大のグループによる成果として4月4日、発表された。
 同グループは、2005年に宇宙航空研究機構(JAXA)が打ち上げたX線観測衛星「すざく」によって、代表的なブラックホール連星とされる「はくちょう座X-1」を観測してきた。ブラックホール連星とは、ブラックホールが太陽のような恒星と組みになり、互いの重心の周囲を回る天体をいう。恒星のガスはブラックホールの周囲を取り巻き、やがて吸い込まれる。その際、高温になりX線を放出する。
 同教授が考案したのは「重ね合わせショット解析」。X線の強度は、幾つものピーク(ショット)を持つ。同教授らは、約千個のショットを重ね合わせ、時間の経過によるX線の波長と明るさの変動を調べた。「すざく」には、最大600キロ電子ボルトに上る高エネルギーX線を検出する「硬X線検出器」が初めて搭載された。この検出器で得たデータにショット解析を適用、ブラックホールに吸い込まれるガスの温度変化の測定に成功した。その結果、ガスが吸い込まれる最後の100分の1秒で、温度がセ氏10億度超まで急激に上昇することを突き止めた。
 中性子星など表面のある天体の場合、表面からの強い放射が降り積もるガスを効率的に冷却するため、急激な温度上昇は起きない。同教授らは、ガスが10億度超に加熱されたことは、中心に表面のない天体とされるブラックホールの存在を意味すると報告した。

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