学術ニュース  2013年03月27日 13:14

■歯 細胞実験の簡易化器具 山口助手ら共同開発 NUBIC通じ特許出願

 培養細胞に一定幅で傷を付けるセルスクラッチと呼ばれる作業を大幅に簡易化できる器具を、歯学部の山口洋子助手(生化学)と大島光宏前専任講師(現・奥羽大薬学部教授)が開発した。

 産官学連携知財センター(NUBIC)を通じて特許を出願し、実用化を進めていた。4月には、旭硝子(株)と共同で製品化した「セルスクラッチャー」が発売される予定だ。
 セルスクラッチは、傷の治りを早める薬やがんの治療薬などの開発などに不可欠な実験法であり、培養細胞からかき取った傷の部分に、一定時間後にどの程度周囲から細胞が移動して傷を埋めるかを評価する。培養容器としては、一般的な24穴プレートの使用を想定している。
 培養細胞に一定幅で傷を付ける作業は容易ではなかった。従来は、ピペットチップの先端などでかき取っていたため一定幅にするのが困難で、かき取り幅も研究者や研究室によってまちまちだった。山口助手らが開発した器具だと、誰でも簡単に均一な幅の傷を付けることができる。
 セルスクラッチャーは引っかき棒とガイドからなる。引っかき棒の先端には2ミリ幅の硬質ゴムのブレードが付く。ゴムは力をかけやすく歪みが少ない硬度にし、1回引っかくだけできれいな幅の傷を作れるようにした。引っかき棒のぶれを防ぐガイドをプレートにかぶせ、引っかき棒をガイドに縦に沿わせて動かす。
 引っかき傷の治癒試験は、培養した上皮細胞やがん細胞などに引っかき傷をつけ、さまざまな物質を入れてどの物質が傷の治りを早めるか、またはがん細胞の移動を阻止するかなどを調べる。同条件で試験しなければ結果の再現性を担保できないため、セルスクラッチャーの開発は研究現場にとって朗報となる。
 山口助手の話 研究者の作業がやりやすくなったと思う。今後、多くの人に使用してもらえるよう広めていきたい。

ガンP.JPG

   従来より簡単で正確な実験が可能となった

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