総合ニュース  2011年11月29日 21:36

■法・新聞学研究所 報道の危機めぐりシンポ ジャーナリズムの再定義提唱

 法学部の新聞学研究所(所長=伊藤英一同学部教授)は11月11日、「ジャーナリズムの危機を超えて-社会的危機とゆらぐメディアの信頼性」と題したシンポジウムを開催した。大井眞二教授(ジャーナリズム学原論)らがIT技術の普及に伴うメディア状況の変化などについて基調報告。これを受け3人のパネリストを交えた5人が意見交換を行った。

 大井教授は基調報告で、既存ジャーナリズムでは情報発信者と受信者が明確に分離していたが、インターネットの普及で受け手の情報発信が急増、両者の境界があいまいになったと分析。「伝統的なジャーナリズム」は崩壊しつつあるとの認識を示した。同教授は、普通人の発言を広めるネットは「民主的な役割を担っている」とも述べ、新たな状況には「メリット」があることを指摘した。
 一方で同教授は、広告収入のネットサイトへのシフトが、既存メディアの販売収入を激減させ経営を悪化させただけでなく、ネット上で生まれるニュースは一般的には関心を呼ばないようなものまで含まれるため、ニュースそのものの価値観も変わったとした。
 その上で同教授は、新たなジャーナリズムを定義し直す必要があると提言した。
 第2部では政治ジャーナリストの角谷浩一氏(50歳、1985年法卒)、産経デジタル社長の近藤哲司氏、NHK放送文化研究所メディア研究部研究主幹の原由美子氏が大井教授の報告を基に意見交換した。
 角谷氏は「動画共有サービスで記者会見を視聴しながら視聴者同士が議論する」現状を紹介。「私がニュース判断をする」という動きが広がっていると指摘。
 近藤氏は「既存のメディアは世論を代弁していない。人々は共感を求めてネットを利用する」と述べ、ジャーナリズムの再定義に際してはネットという要素を考慮することが不可欠とした。


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大井教授(右から2人目)の報告を基にパネリストによる意見交換が行われた

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