総合ニュース  2011年08月04日 15:42

■医 電子カルテに新システム 病院間で情報を共有 根東教授のアイデア実用化へ

 医学部の根東義明教授(医療管理学)が考案した、異なるメーカーの電子カルテ情報を病院間で共有する国内初のシステムの実用化にめどが付き、6月上旬から長野県松本市周辺の8診療所で試験運用が始まった。国内で徐々に普及が進んでいる電子カルテだが、メーカーによって仕様が異なっており、病院間の情報共有の妨げとなっていた。このシステムにより、医師は患者の病歴を詳しく把握できるほか、重複治療を回避するなど患者にとって大きなメリットが生まれる。

 試験運用中のシステムでは、各医療機関の電子カルテ情報の内、患者が開示に同意した情報をデータセンターに保存し、連携している医療機関は情報を引き出して時系列でまとめて一元的に見ることができる。接続にはNTT東日本の情報暗号化サービス回線を使い情報漏えいを防ぐ。
 時系列は「日単位」「月単位」「年単位」で調整でき、全体をふかん的に把握したり、逆に詳細な個別情報を確認したりできる。膨大な量のカルテも一目で確認でき、医師は過去の診療記録や患者の病状の変化を効率的かつ正確に把握できる上、それを踏まえた治療計画を立てられる。さらに重複検査の解消に役立ち、患者の医療費負担の軽減などにもつながる。
 システムはNTT東日本が独自開発した電子カルテを導入した松本市周辺の8診療所で試験運用中。このカルテは付属のペンで紙のカルテと同じように画面に記入でき、パソコンが苦手な医療関係者にも扱いやすい。
 根東教授は「紙のカルテは災害などで消失する危険性が高い。データ保存できる電子カルテへの移行が必要。新システムで多くの医療現場に電子カルテが浸透してほしい」と話した。
 同システムは来年3月末に試験運用を終え、実用化段階に移行する予定。ネットワークを長野県内の4病院、94診療所、16薬局に拡大する。

トラックバック・著作権・リンクについて
トラックバックURL

この記事のトラックバックURL:

このサイト内における全ての文章・画像・図表等の著作権は日本大学新聞社に帰属します
Copyright (C) NIHON UNIV. PRESS All Rights Reserved.