総合ニュース  2011年01月08日 14:12

■続く就職氷河期 就活へ3年生始動 量より質重視の厳選採用が激化

 大卒者の就職状況が厳しさを増す中、本学各学部で就職ガイダンスなどが始まった。厚生労働省などが発表した来春卒業予定者の就職内定率は10月1日時点で6割に届いていない。再来年卒業予定の本学3年生約1万7千人も、依然として続く就職氷河期の中で戦うことになる。しかし、どの学生も本紙の取材に「やるしかない」と言い切った。

 経済学部の和田郁美さん(産業経営3)は「4年生の就職内定率が57・6%と聞くと怖い。でも自分を信じるしかない。東京だけでなく地元の企業にもエントリーする」と就活への参戦を宣言した。同学部の岩沢香さん(経済3)も「情報収集などで遅れを取らないよう、携帯端末を買った。万全の体制で臨みたい」と表情を引き締めた。
 金融業界が志望という法学部の田中宗一さん(法律3)は「リクルートスーツや交通費などお金が掛かる。年内はアルバイトを続け、年明けから就活に専念したい」と意気込んだ。
 法学部で11月27日に開催された就職相談会には約190人が参加しOBらの話に耳を傾けた。同学部の浅野祥司就職指導課長は、最近の学生の企業選択の基準が「やりがい」よりも「知名度重視」に傾いてきたのではないかと指摘する。
 有名企業にばかり学生が殺到し、知名度が低い企業に人材が集まらない「ミスマッチ」現象は、最近、マスコミでも大きく報じられるようになった。文理学部では、知名度は低いが学部OBが在籍する優良企業を集めた「優良企業合同セミナー」を昨年から開催している。「学生はCMなどで目に付く会社に応募するが、視野を広げれば優良企業はたくさんある」と文理学部の橋本悟就職指導課長は、視点を変換する大切さを説く。昨年は同セミナーに15社が参加、ほぼすべての企業に内定者を出した。
 ことしの就職戦線を「『量より質重視』の厳選採用が激化している」と分析するのは、就職情報サイト「リクナビ」編集長の岡崎仁美さん。「企業が採用予定人数の確保にこだわらなくなった」「留学生など外国人雇用にも積極的になっている」といった動向を挙げる。
 来春卒業予定者で第1志望の企業から内定を得た学生も多くいる。食品大手のヤマザキナビスコに内定した法学部の松田将吾さん(法律4)は、ホームページだけに頼らず、企業訪問でも多くの情報を集めた。「気になる企業があればすぐ訪問した。セミナーにも200回以上参加した」。
 日本銀行に内定した同学部の後藤英樹さん(管理行政4)は「能力や適性に合うかを吟味」し、エントリーシート提出先は5社に絞った。
 早い時期に内定をもらった学生は「氷河期は実感しなかった。就活は楽しかった」と振り返るが、なかなか決まらなかった学生は「自分を否定されたようでつらかった」と打ち明ける。
 岡崎さんは企業がどんな学生を求めているかをよく考えること、意中の企業で働くOBへの訪問を活用することも有効と助言する。「OB訪問は、自分が身を置こうとする職場をリアルに実感できる機会」というわけだ。

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