学術ニュース  2009年04月20日 21:04

■理工 物質を3次元分析 DNA鑑定、一瞬で可能 武居准教授らが共同開発

 理工学部の武居昌宏准教授(機械工学)はこのほど、ナノ(10億分の1)レベルの物質の形状をオンラインで3次元化して短時間で分析できる装置を半導体メーカーのコバレントマテリアル(本社=東京・品川)と共同開発した。

 装置は、縦約10センチ、横4センチ、高さ2ミリほどの基板と全長約4センチ、幅約2センチ、厚さ1ミリ足らずの石英ガラス管からなる。石英ガラス管の中央部に0・8ミリ四方のひし形を底面とした四角柱の空洞を形成。空洞の各辺に3本ずつプラチナ線のセンサーが付いている。
 試料は、液体と固体を混ぜて注射針状のポンプで石英ガラス管の入り口から空洞に注入する。プラチナ線に電気を流すと、電気抵抗など、物質に関する物質量のデータが測定できる。そのデータを処理し、パソコンスクリーン上に3次元の画像で表示するという仕組みだ。
 従来、極小物質を立体的に調べるには顕微鏡を用いるしかなく、観察、分析に時間がかかった。空洞の各辺に1本だけプラチナ線を取り付けた石英ガラス管で試料を分析する方法はすでに確立していたが、2次元の分析が限界だった。プラチナ線の本数を多くすることで、試料の立体像をより正確かつ迅速に分析できるようになった。
 化学分野への応用に期待が高く、デオキシリボ核酸(DNA)鑑定に使うと、従来1時間ほどかかっていた解析時間を約1秒に短縮できる。さらに、遺伝子組み換え食品の見極めや偽造食品の鑑定にも役立つという。
 電極に強い電圧をかけることにより、液体から分離させた固体をさらに細かく分解する「分級機」としての利用も可能という。例えば、水と糖をナノレベルまで細かく分解すると、薬品の主材料となる核ができる。これにコーティングを施すと、鼻から吸い込んで肺で吸収する薬品を製造することも可能となる。装置は特許申請して製品化する予定だ。

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