連載・コーナー  2008年08月25日 10:35

■学生記者発 スコープ ライブで生まれる一体感

 ライブが好きだ。洋楽に夢中だった中学生のころからライブに行くようになった。歌手の歌声を聴き、リズムに乗って腕を振れば観客と歌手は一体になれる。日々の煩わしさを忘れることができる。その瞬間が最高に楽しい。

 現在はインターネットやメールを使えば手軽に他人とつながることができる。画面上での文字だけの交流は確かに気楽で楽しいが、相手の表情や声の調子などを知ることができない。それがかえって不安を煽り、時には攻撃的にもなる。しかしこういったツールが発達するにつれ、対面でのコミュニケーションを重要視するようになったと思う。本当に心を通わせるためには、相手の顔を見て話すことが必要だ。
 さまざまなアーティストが出演した野外でのロックフェスティバルに昨年も行った。周りは知らない人ばかりだったが、そんなことは関係なく隣の人と一緒に歌い、踊った。人波にのまれて倒れそうになったときは、隣の男性が腕を伸ばして体を支えてくれた。終演後も近くにいた女性と会話が弾んだ。この特別な時間を共有するうちに、仲間意識が芽生えた。
 すぐに仲間になれるという手軽さは、インターネットでのコミュニケーションと類似しているかもしれない。しかし、この二つには決定的な違いがある。ライブでは生演奏の音楽を共有でき、そこにいるのも生身の人間であるということだ。隣で楽しそうに歌い、踊る姿を見ていれば相手との間に不安は生じない。音楽が間に立って、人と人をつないでくれる。年齢や性別、人種などを問わず、信頼できる仲間をつくれた。母親と同世代の人とも友達になったこともあった。
 ライブの思い出は尽きない。でもそれは感動を共感してくれる相手がいたから、より強く残っているのだと思う。音楽ばかりでなく、楽しいときも、苦しいときも「仲間」とともに過ごせる日々に感謝したい。
学生記者 名取 沙季

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