写真ニュース 2008年07月23日 15:39
■日大から北京へ ~本学OB・OG注目選手紹介~
北京五輪は8月8日から24日まで、開催される。本学勢は現役生2人、校友13人が出場(7月11日現在)。近藤はセーリングで世界ランキング1位。森田は競泳でアテネ五輪銅メダリスト。有力選手の活躍を見逃すな!
<競泳・森田智己>
本学競泳勢で最もメダルに近いのは森田智己(2007年経済卒=セントラルスポーツ)だ。森田はアテネ五輪の男子百メートル背泳ぎで銅メダルを獲得。その後、06年の日本選手権で53秒85の日本新記録をマークした。しかし、米国のアーロン・ピアソルが52秒98の世界新記録を出した07年の世界選手権では、55秒04と不本意な成績だった。しかし注目したいのはこのレースの森田のスタート反応速度だ。世界新のピアソルが0秒61だったのに対し、森田は0秒57。本調子ではなかったにもかかわらず世界記録保持者のスタートよりも速かった。
同年の世界競泳インジャパンでは、自己ベストにこそ及ばなかったが、世界の強豪を相手に54秒13で堂々の銅メダル。さらに今年4月の日本選手権で54秒03で優勝するなど、調子を取り戻しつつある。世界記録保持者をも上回るスタートを武器に次こそは金メダルを狙う。
スタートの速さを武器に、世界の強豪に挑む森田
<競泳・伊藤華英>
伊藤華英(2007年経済卒=セントラルスポーツ)は0秒66差でアテネ五輪出場を逃した。それから4年。迎えた日本選手権の女子百メートル背泳ぎで、アテネ五輪銅メダリストでライバルの中村礼子(東京SC)に0秒33差をつける59秒83の日本新記録で優勝した。それまで中村の引き立て役ばかりに甘んじてきた伊藤が初めて主役に躍り出た。
レース後「4年前と同じことを繰り返すようなら、死んだ方がましだと思った。でもやっぱり死ぬのは嫌だから必死に泳ごうって決めていた」と振り返った。
五輪直前の7月1日、米国のナタリー・コーグリンが58秒97の驚異的な世界新をマーク。世界との差は0秒86に広がった。日本選手権の勢いで、日本人離れした手足の長さを生かしてメダルに迫る。
伊藤は長い手足を生かし、世界の頂点を目指す
<シンクロ・原田早穂、鈴木絵美子>
アテネ五輪で原田早穂(2006年文理卒=東京シンクロクラブ、ミキハウス)と鈴木絵美子(07年経済卒=同)はシンクロナイズドスイミングチームで銀メダルを獲得。当時は立花美哉、武田美保の全盛時代。原田も鈴木も脇役だった。
原田は日本選手権に日本代表ソロとして出場。先輩の陰に隠れ、自分を見せることが苦手だった鈴木も今や日本代表チームのキャプテン。いずれも日本チームの大黒柱に成長した。
アテネ五輪直後には、北京に向け「スペシャルチーム」が結成された。水中パフォーマンス強化のために本学水泳部コーチの野口智博准教授(水泳)を中心にバレエや体操など各界の第一人者がそれぞれ指導に当たった。
北京五輪を1年半後に控えた06年12月のアジア大会では、中国に敗れまさかの2位。だが3カ月後の世界選手権では、持ち味である正確な演技を生かしきり、中国に大差をつけて勝利した。
今年4月に行われた北京五輪出場を懸けた世界予選ではロシアが不参加、中国はデュエットのみオープン参加の中で、日本は同予選の2種目で優勝が有力視されていた。ところが原田、鈴木組のデュエットは3位。チームもスペインに敗れ2位だった。敗因はキレのない手足の動きだった。続く4月の日本選手権でも結果は残せず、五輪7大会連続メダル獲得へ不安を残した。
だが課題ははっきりした。めりはりのある演技と小柄な体形でいかにダイナミックな演技に仕立てられるか。あとは時間との勝負だ。
<セーリング・近藤愛>
セーリングの女子470級で北京五輪日本代表に近藤愛(2003年生物資源科卒=アビームコンサルティング)と同チームに所属する鎌田奈緒子が選ばれた。鎌田とペアを組んで3年目。今年7月には、国際セーリング連盟(ISAF)が発表する世界ランキングで強豪イタリアを抜き1位となり、名実ともに金メダル候補になった。
しかし、1月の五輪代表最終選考会を兼ねた世界選手権ではスタートする際に大きく出遅れた。普段の2人からは考えられないようなミスで一時は最下位に転落し代表も危ぶまれた。結局、日本人最高の11位に入り代表には選ばれたが、露呈したメンタル面の課題を克服するため、2人は風が強いときは地元の漁師でさえ恐れるほど荒れる沖縄の座間味での合宿を敢行した。午前9時から海上での練習を始め、休憩時間は昼食の間のわずか15分。午後4時に上陸した後も筋力トレーニングに励んだ。
直後の欧州遠征では合宿の努力が結実した。フランスのイエールの海は荒れ模様だったが、座間味の海で鍛えた2人は各国のチームが荒波にてこずる中、風をとらえて進んだ。ISAF指定の最高クラスの大会で初勝利を飾った。その後も、6月にドイツで行われた五輪前最後の同クラスの大会では、日本人として初めて最優秀選手賞も受賞するなど勢いに乗ってきた。
1996年アトランタ五輪同級銀メダルの重由美子・木下アリーシア組以来の世界ランキング1位の実力を引っ提げて、日本セーリング界初の金メダル獲得に挑む。

どんな荒波でも器用に風をとらえ、近藤(右)らはメダルへ向かう
<卓球・福岡春菜>
福岡春菜(2006年法卒=中国電力)の強みは多彩なサーブ。ボールを高く上げて、下りてくる球に、さまざまな回転を加える王子サーブが8種類、通常のサーブと合わせると16種類を使い分ける。北京へ向け調子も上向きだ。直前の合宿で「サーブの技術に磨きをかけた」。
今年の2月に中国の広州で行われた世界選手権の準々決勝はハンガリーとの対戦となった。福原愛(ANA)が3―2、平野早矢香(ミキハウス)が3―0で勝利、最後の福岡が勝てば3位という試合を、3―0のストレート勝ちでものにし、女子団体で4大会連続の銅メダルに貢献した。その後、アジア大陸予選で北京五輪出場権を勝ち取った。「数年前までは考えられなかった」世界の大舞台。同じ五輪代表の福原や平野に負けない活躍を見せている。
女子団体のダブルスでは福岡のサーブが勝負を分ける。「緊張の中でどれだけ自分らしさが出せるかが鍵」と闘志を燃やす。ミラクルサーブは世界の強豪を翻弄(ほんろう)する。
初出場の五輪で活躍に期待が懸かる
<ボート・浦和重>
ボートの男子軽量級ダブルスカル代表の浦和重(1998年法卒=NTT東日本)は武田大作(ダイキ)と出場したアテネ五輪に続き2回目の五輪代表。前回6位の雪辱を果たすべく4年間厳しいトレーニングを積んだ。
浦を指導した本学ボート部の水内正孝監督は浦の学生時代を「寡黙だが負けん気が強く、練習量も人一倍だった」と振り返る。深夜に及ぶ練習で培った筋力はほかの学生を圧倒していた。
昨年の世界選手権で武田と組み6位となり、同種目での日本の北京五輪出場権を獲得した。その後に行われた日本代表を決定する合宿で練習の成果が評価され、代表選手に選出された。今年で33歳。ボート日本初のメダルへ機は熟した。
<陸上・沢野大地>
男子棒高跳びの沢野大地(2003年文理卒=ニシ・スポーツ)は本学在籍時に日本選手権で2連覇を達成。卒業後は、05年に5メートル83の日本記録を樹立するなど、棒高跳びで世界と戦える唯一の日本人だ。
昨年の世界選手権では足のけいれんで満足な跳躍ができず、今季も春に痛めた足の影響から予定していた試合をすべてキャンセル。「こんなに試合をこなさずに迎えた日本選手権はなかった」。沢野は自身のブログでこう振り返った。それでも試合の日程を練習に充てたことで「練習した分だけ身体の状態が良くなっていく」と復調の手応えをつかみ、日本選手権では完全復活を思わせる跳躍を見せた。
日本選手権で復調の手応えをつかみ、北京行きを決めた
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