学術ニュース  2008年07月03日 21:16

■理工 「飛行する種」の研究 安田教授のユニーク業績紹介 総合科学誌に掲載 

 羽を持つ植物の種子などの飛行メカニズムを研究している理工学部の安田邦男教授(航空工学)の研究が4月24日付の「ネイチャージャパン(電子版)」で紹介された。昆虫や翅果(しか)を持つ植物などの飛行を対象とするユニークさが評価された。「ネイチャー」は世界で最も権威のある総合科学誌の一つで、今回、同教授の研究を載せたのはアジア地域をカバーする「ネイチャーアジアパシフィック」の日本語版。

 同教授はもともとヘリコプターの回転翼などの研究をしていたが、東京大学の東昭名誉教授の勧めで、翅果と呼ばれる羽を持つ植物の種などの飛行に関する研究を始めた。ネイチャージャパンの記事によると、種子の模型を使い、種子の飛び方やそのときの空気の流れを研究していた同教授は、羽の凹凸で渦が生じることにより種子が回転し飛ぶことを突き止めた。例えばカジカエデの種子は鳥の羽を小さくしたような1枚の羽を持っているため、地面に垂直な軸を中心に回転しながら落ち、風を受けて遠くへ飛ぶ。一方、トネリコの種子は地面に垂直な軸に加え、種子自体が回転する軸も併せ持つため、滞空時間が長くなるという。
 またカジカエデの種子と同じように飛ぶ竹とんぼについても、竹とんぼの軸棒を5ミリずつ短くしたり重心をずらしたりして飛距離などを計測した。実験の結果、羽の前縁や後縁の厚みの違いにより飛び方や落ち方が異なり、回転が止まりにくい形の方が滞空時間が長くなることが分かった。
 同教授は、こうした成果はロケットの使用済み燃料タンクの回収など、高い場所から大きな物をゆっくり降ろしたいときなどに応用可能としている。

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