学術ニュース  2008年05月29日 19:35

■文理 高橋教授らが実験成功 鉄系物質で超電導温度上昇

 文理学部の高橋博樹教授(高圧物理学)の研究グループと東京工業大学の細野秀雄教授らは、鉄を主成分とした超電導物質に高圧を加え、超電導移転温度を上昇させる実験に成功した。この成果は送電時に電気ロスを起こさない電線の開発などへの応用が期待されている。4月24日、英科学雑誌「ネイチャー」(電子版)に掲載された。

 超電導とは、極低温で金属や銅酸化物の電気抵抗がゼロになる現象。1911年にセ氏マイナス269度で水銀が超電導になることが発見された。極低温環境を得るには沸点がマイナス269度の液体ヘリウムを使うが、高価な上、扱いにも注意が必要なため、より高温で超電導になる物質の開発研究が行われてきた。86年には銅酸化物の超電導物質が発見され、最高でマイナス109度で超電導になることが分かったが、鉄を含む物質は適さないとされていた。
 「超電導と圧力効果」について研究していた高橋教授は、2006年に細野教授が発見した、マイナス247度で超電導になる鉄を含む物質に着目。銅酸化物のように、より高温で超電導になると考え、共同研究を始めた。実験では、圧力の上昇とともに超電導移転温度が上がり、4万気圧を加えたときには通常より17度高いマイナス230度を示した。今回の実験で、鉄系超電導物質は加えた圧力に対する温度上昇の割合が他の物質より大きいことも判明。実験を続ければさらに高温での超伝導が実現する可能性があるという。

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