学術ニュース  2008年04月24日 18:47

■工 加藤教授が世界最高賞 摩擦や潤滑に関する研究で

 工学部の加藤康司教授がこのほど、2007年トライボロジーゴールドメダル賞を受賞した。授賞式は、東京都千代田区の英国大使館で3月11日に行われた。トライボロジーとは摩擦や潤滑に関する応用力学で、同賞はこの分野で世界最高の賞とされている。日本人の受賞者は加藤教授が5人目。摩擦面にある異物により表面が削り取られる金属のアブレシブ摩耗の研究開発の実績などが評価された。

 同教授は、物がこすれ合うときに発生する摩擦係数を計測、材料ごとの変化を研究している。現在、潤滑剤の主流は油だが、代替物としてインジウムという軟金属や水などを利用する方法を開発した。これにより油の10分の1から100分の1程度まで摩擦係数を小さくできる。
 インジウムを潤滑剤として利用する研究は、01年から05年まで、宇宙で使われたロボットの関節部分に応用された。宇宙では太陽からの紫外線や宇宙空間に存在する活性酸素の影響によって金属が劣化しやすく、特にロボットの関節部分は金属同士がこすれあうので劣化が激しい。しかし、気体にしたインジウムを関節部に吹き付けてコーティングすれば、宇宙空間でも摩擦係数が小さくなり耐久性が増すことが分かった。
 一方、水を使えば油は不要で環境にも優しいが、定期的に注水して乾燥を防がなければならならず、装置も必要になる問題点がある。
 同教授は「水やインジウムを潤滑剤とする分野はまだ基礎研究が必要。どう応用するかをこれからの研究課題としたい」と話した。

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