学術ニュース  2008年01月24日 15:34

■経済 中国経済の将来展望 識者8人招き公開シンポ

 経済学部の公開シンポジウム「中国・東アジアの成長と日本の展望」が1月12日、同学部7号館の2階講堂で開かれ、中国の急速な経済成長がもたらした国内の格差問題について論議を交わした。
 

講演会は同学部の浅田義久教授(都市問題論)が司会を務め、独立行政法人経済産業研究所の藤田昌久所長が「東アジア地域統合の深化へ向けて-空間経済学の視点から」と題し基調報告した。同学部の曽根康雄准教授(中国経済論)ら8人の専門家が講演した。
 藤田氏は科学技術の発展による輸送コストの削減が中国経済の急速な発展の一要因と指摘。さらなる発展のため「中国はアイデア、技術をも生み出す世界の創造拠点にならなければならない」と述べた。その上で「東アジア地域で通貨などの経済的統合が実現すれば、より経済活性化が期待できる」と結んだ。
 曽根准教授は「今後の中国経済は質の向上が必要」と説き、中国経済の発展には北京五輪に伴う短期的な経済効果を期待するのではなく、新たな経済発展方式確立が求められているとした。
 講演後のパネルディスカッションは同学部の乾友彦教授(日本経済論)を司会に藤田氏、野村資本市場研究所シニアフェローの関志雄氏、本学商学部の寺西重郎教授(金融論)と慶応大学の深尾光洋教授がパネリストとして参加、中国の沿海部と内陸部の地域格差問題を中心に議論を進めた。深尾氏は都市住民と社会保障も受けられない農村住民との間の深刻な格差を指摘した。
 一方、関氏は高齢化や一人っ子政策によって多くの国民が都市部に集中し、かつてのような「無限労働力」はなくなったとの見方を示し「今は雇用の心配よりもバブルやインフレといった経済破たんを警戒すべき段階だ」と述べた。また、低所得者の平等を図るために政治制度を民主化することが急務だとまとめた。

経済 アジアシンポ.JPG
パネルディスカッションを行う5人の専門家

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