学術ニュース  2007年10月23日 19:13

■文理 せっけん水と油で誘導電流 松下専任講師ら実験成功

 文理学部物理生命システム科学科の松下祥子専任講師(物理化学)の研究グループが、せっけん水と油が混じる際の表面張力を利用して誘導電流を起こすことに成功した。実用化できれば、廃油を利用した、温室効果ガスを出さない発電方法として期待される。

 せっけん水に油を落とすと、せっけんが水と油の間に集まり表面張力が弱まる。その際、せっけんに陽イオン、油に陰イオンを通常より多く含ませると、陽イオンは引力の強い陰イオンに引っ張られるため、せっけんが油の中に取り込まれ表面張力が再び強くなる。この働きが繰り返されると油が動き始める。
 発電実験では、せっけん水を張ったシャーレに磁石を取り付けたC字状のプラスチック板を浮かべ、油を落とした。油が動き始めるとプラスチック板も回転し、C字の中央に置いた銅線コイルに誘導電流を発生させた。最長で2分間回転を続け、約4マイクロアンペアの電流が発生した。
 松下専任講師らは3年ほど前から実験に取り組み、今年4月に初めて成功させた。現段階では、油に陽イオンがたまりすぎると表面張力が弱まって油の動きが失われるため、油を廃棄しなければならないのがネックだ。しかし、油から陽イオンを除去する現在開発中の技術が完成すれば、この問題もクリアできる。
 同専任講師は「物が動く力を利用してエネルギーを発生させれば、コストやエネルギーを無駄にしなくて済むと思い、このアイデアを考えついた」と話した。

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