総合ニュース  2007年06月28日 21:13

■大森一光准教授に聞く はしかの症状と予防策

 はしかの流行は規模の大小はあっても、毎年繰り返されている。今回の流行は、15歳以上がかかる「成人麻しん(はしか)」だった点に特徴がある。はしかの症状や予防について、本学板橋病院の感染防止対策委員会委員長である大森一光准教授に聞いた。

 ――症状について。 
 まず約10日のセン伏期間があります。この間は、はしかにかかっていることに気が付きません。セン伏期間が終わる1日前くらいから発熱、せきや鼻水などの症状が見られます。完全に発症すると、38度以上の発熱や赤い発しん、コプリック斑と呼ばれる白いできものが口の内側に現れます。その後、熱がいったん下がりますが、再び上がり始めます。1週間もたてば症状は治まりますが、感染する恐れがあるため、3日間は自宅で待機してください。
 また、1000人に約1人の確率で起こる脳炎などとの合併症は大変重くなります。乳幼児より成人の方が重篤化しやすいといわれています。
 ――感染について。
 はしかは空気感染します。ワクチン接種をしていない人の場合、はしかにかかっている人に直接接しなくても、数分間会話しただけで90―95%の確率で感染するといわれています。非常に強い感染力を持っているのです。板橋病院では感染の疑いがある患者は、別の診察室で診察するなどの対策をしています。
 またセン伏期間に海外旅行に行き、国外で発症する人もいます。こうしたことから日本は「はしかの輸出国」と、先進国から皮肉られたりするのです。
 ――今回の流行の特徴は。
 インフルエンザなどと同じように、はしかは1―4歳の乳幼児を中心に毎年流行しています。実は2001年の流行の方が、今回よりも発症者数は多かったのです。ただし、今回流行しているのは15歳以上がかかる「成人麻しん」です。現在20歳前後で予防接種をしていない人はもちろん、1回のみの接種で免疫力が低下している人が感染し、それが拡大したと考えられています。
 予防接種法で、1―2歳の1期、5―7歳の2期の両期にわたるワクチン接種が06年から開始されました。この世代が大人になるときには、おそらく成人麻しんは減少しているでしょう。
 ――予防策は。 
 とにかくワクチン接種。まだ打っていない人はすぐにでも打つことをおすすめします。抗体検査は結果が分かるまで3、4日かかります。
 ただ、ワクチン接種で抗体をつけるというのは、簡単に言えば体に害がないくらい少量の菌を体に取り込むことです。気分が悪くなったり、発熱などの副作用が出る場合もあるので、義務付けはできません。もし副作用が出たら、すぐに医者に相談しましょう。

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