総合ニュース  2007年06月28日 21:15

■はしかで5学部休講 ワクチン接種補助も まだ十分注意必要と専門家

 関東の大学、高校などではしかの集団感染が相次ぎ、本学でも5月下旬に文理、経済、商、芸術の4学部が11―14日間休講した。6月には歯学部も5年生のみを対象に休講。各学部とも休講中の課外活動や施設利用を制限したが、大きな混乱はなかった。また、学部ごとにワクチン接種代金等の補助を実施するなど、感染拡大防止と予防に努めた。総合学生部学生生活課のまとめによると、6月12日現在、全学部で計172人が発症、うち159人が完治したという。ただ、流行のピークは4月から6月までで、医療関係者はまだ十分注意する必要があるとしている。

 文理学部では4月中旬、本学で最も早く発症者が確認された。同学部では5月15日、44人の発症者を確認した時点で休講を決定、同16日から26日まで休講した。これに続き経済、商、芸術学部が相次いで休講した。
 歯学部は、付属病院での臨床実習中に患者への感染を防ぐため、5年生のみを対象に、6月1日から11日まで休講した。
各学部の対策
 事態を重くみた各学部は感染拡大防止や学生の負担軽減のため、ワクチン接種代金等の補助に踏み切った。法、経済、商、芸術学部と大学院法務研究科は、補助額の上限を5000円に決めた。文理学部は、現在補助額を検討中。商学部では抗体価検査も補助対象とした。生物資源科学部は教育実習生、博物館実習生、介護等体験学生を対象に、抗体価検査とワクチン接種代金を一部補助している。
 また、松戸歯学部は、臨床実習中の5年生と付属衛生専門学校2年生の抗体価検査を実施した。薬学部は1年生と20歳代の教職員の抗体価検査を実施。通信教育部も専任教職員と臨時職員の抗体価検査を行った。
 医学部では2003年から毎年、新入生を対象にはしかや風しんの抗体価検査をしており、今回、特別の措置は取らなかった。
異例の事態
 厚生労働省の調べによると6月2日現在、全国で58の大学が全学あるいは一部で休講した。文部科学省学校健康教育課の担当者は、本紙の取材に対し、はしか集団感染による大学の相次ぐ休講は「極めて異例の事態」と述べた。
 都内でも4月中旬に創価大の全学休講が大きく報じられた。これを受けて本学も、感染の注意を文書で掲示するよう各学部に呼び掛けるなど、本格的な対応に乗り出した。また文科省の通達を受け、各学部が地域の保健所と連携し、学生らにワクチン接種や抗体価検査をするよう呼び掛けたほか、確認できた発症者数を保健所に報告するなどの処置を取った。また希望者はワクチン接種などを本学付属病院(板橋、駿河台、練馬光が丘)で受けられるよう手配した。
 国立感染症研究所感染症情報センターの多屋馨子室長は「流行のピークは例年4月から6月。現在、発症者数は減ってきているが、まだ十分注意が必要」と話している。また同室長は「はしかを2012年までに一掃することが日本の国家目標になっている。今後はワクチン2回接種の徹底など対策が必要」と予防接種の励行を呼び掛けている。
学生の声
 今回、はしかにかかったある学生は「流行していることは知っていたが、特に対策はしていなかった。症状が治まってから、幼いころに1回しか予防接種したことがないということを両親から聞き『やっぱり』と思った」と話した。また脳炎と肺炎の合併症を起こした学生は「本当に死ぬかと思うくらい苦しかった」と振り返った。
 はしかにかからなかった学生の中には「幼いころにワクチン接種をしたから大丈夫」と、繁華街やレジャー施設など大勢が集まる場所へ出掛けた人もいた。また「補助が出ることを知って、予防接種を受けた」という人もおり、ワクチン接種補助の効果を示していた。


関連記事
大森一光准教授に聞く はしかの症状と予防策
http://www.nu-press.net/archives/article000433.html

トラックバック・著作権・リンクについて
トラックバックURL

この記事のトラックバックURL:

このサイト内における全ての文章・画像・図表等の著作権は日本大学新聞社に帰属します
Copyright (C) NIHON UNIV. PRESS All Rights Reserved.