スポーツニュース  2007年02月03日 16:39

■箱根駅伝 職人・末吉 ~区間賞の裏で~

 職人を思わせる安定感抜群の走りだった。本学のランナーとして2000年に距離変更された6区20・8キロを初めて59分台で走り、チームの順位を二つ押し上げた。末吉翔(商4=大阪・清風高)は「あのタイムで区間賞が取れるとは」と謙遜(けんそん)したが、本学の区間賞獲得者は、日本人選手としては15年ぶり、6区に限れば39年ぶりである。
 「山上りのスペシャリスト」が順大の今井正人(4)なら、末吉は「山下りのスペシャリスト」。1年生のときから6区を任され、2年生のときには区間4位と期待に応えてきた。しかし昨年は本来の力が出せず区間15位。それでも小川聡駅伝監督は「フォームが山下りに向いており、区間賞を取れる選手」と見込み、1年生のとき6区を走った監督自身の経験から、山下りの最適なルートや走り方を教え込んだ。
 復路当日、小川監督からの指示は「4位の早大を残り3キロでかわし、3位が見える位置まで差を詰めて7区につなぐ」というものだった。だが末吉は「前を行く選手のスピードが上がっていなかった。けん制し合ってチャンスを逃したくなかった」とレース序盤で早大の加藤創大(1)を抜き去ると、その勢いのまま日体大の石谷慶一郎(2)を17キロ付近でかわした。一時は粘りをみせる石谷に追いつかれたものの、中継所手前でラストスパート。石谷を引き離し、3位でたすきを渡した。
 小川監督は「何度も山下りをさせてきた成果が出た。この成績はこれからの世代につながる」とたたえた。末吉は「自分の記録はいつか後輩が抜いてくれる」と話したが、本学の歴史に大きな足跡を残した。


 すえよし かける 1984年11月25日、大阪府生まれ。身長173センチ、59キロ。小学校のマラソン大会ではすべて優勝し、中学校から本格的に陸上を始めた。スピードスケート・ショートトラックでトリノ五輪に出場した末吉隼人選手を兄に持つ。

末吉.JPG
中継所手前でラストスパートする末吉


山上りの6区とは 全長20.8キロ。最初の4キロを上り、最高点874メートルから一気に下るため「山下りの区間」と呼ばれる。こう配があまりに急なため、箱根湯本から始まる残り3キロ地点からの緩やかな下りでさえ、上りに感じるという。脚には大きな負担がかかる上、カーブのコース取りなどのテクニックも必要で「山上りの5区」と同じく、スペシャリストが生まれやすい。小川監督も、1年生のときに走り、区間4位を記録した。


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