総合ニュース  2006年12月02日 19:44

■文理 合巻本52点など展示 江戸庶民の娯楽の華

 文理学部は11月6日から16日まで、同学部図書館展示ホールで特別展「絢爛(けんらん)豪華な伝奇世界―幕末・明治期の合巻本(ごうかんぼん)―」を開催した。本学総合学術情報センターが所蔵する合巻本320点のうち52点と、関連する歌舞伎番付・芝居絵9点が展示された。合巻本の中には児雷也と呼ばれる忍者の活躍を描いた「児雷也豪傑譚(じらいやごうけつものがたり)」などが含まれ、来場者の注目を引いていた。

 11日には、図書館3階のオーバルホールで講演会があり、滝沢馬琴の研究者である専修大学の板坂則子教授が「江戸のポップカルチャー―草双紙とその読者―」と題して講演した。
 展示品のほとんどは、本学歯学部の創設者、故佐藤運雄氏と演劇評論で知られる故渥美清太郎氏からの寄贈品。保存状態が良く、色も鮮やかだ。
 合巻本とは、江戸時代にはやった絵入りの大衆読み物「草双紙」の一種。数巻を1冊にまとめて製本したことから合巻と呼ばれるようになった。草双紙はこっけい話などを中心とする短編だったが、寛政の改革を風刺した作品が幕府に弾圧されると、内容はきまじめなものに一変。幕府の禁圧を避けるため、忠義やあだ討ちなど儒学的な要素が取り入れられ、ストーリー本位の作品が増え長編化した。文化年間に初めて合巻が出現すると、庶民の主要な娯楽の地位を獲得した。
 同学部国文学科の粕谷宏紀教授(近世文学講義)は「草双紙は、実はしゃれた大人の読み物。江戸後期には特に女性に好まれた」と話している。

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