スポーツニュース  2006年11月13日 22:13

■レスリング世界選手権 高塚獲った銅~ 日本男子3年ぶりの表彰台 

レスリングの世界選手権は9月25日から10月1日まで中国広東省の広州で行われ、フリースタイル60キロ級に初出場した高塚紀行(文理3=茨城・霞ケ浦高)が銅メダルを獲得した。世界選手権での日本男子のメダル獲得は2003年以来、3年ぶり。同84キロ級に初出場した松本真也(同4=京都・網野高)は10位だった。文=田中 絢子

 初戦、2回戦を勝ち進んだ高塚は、3回戦でジェルゴ・ウスレル(ハンガリー)と対戦。1―1で迎えた第3ピリオド開始18秒にタックルから相手を場外に出し1ポイントを先取した。この時、目の上を切ったが、包帯で応急処置をして試合続行。その後、ポイントを奪われ追いつかれたものの、残り3秒でバックを奪い高塚が2―1で勝った。
 セイド・モハマディ(イラン)との準決勝で高塚は集中力を欠いた。第1ピリオドを0―4で奪われると、第2ピリオドもすきを突かれてバックを奪われ0―1で敗れた。
 気持ちを入れ替えて臨んだ3位決定戦は、バシル・フェドロシン(ウクライナ)と対戦。第1、第2ピリオドとも時間内に勝負がつかず、コイントスによって優先権が決定された。優先権を得た高塚は、クリンチからタックルを決めて2―0で勝利し、銅メダルを獲得した。
 富山英明監督の話 準決勝では敗れてしまったが、本気でやれば勝てる相手だったと思う。この階級は、国内でも強い選手が多い。切磋琢磨(せっさたくま)し、レベルを高めていってほしい。

監督のげきを力に 
○…「自分のいいところを出して負けるなら仕方ない。とにかく攻めるしかない」。8月の全日本学生選手権は、ライバルの湯元健一(日体大4)に敗れ2位。団体の大学日本一を決める全日本学生王座決定戦でも4位と不完全燃焼だった高塚は、気合十分で大会に臨んだ。
 勝てば日本勢男子として3年ぶりのメダル獲得となる準決勝で、高塚は優勝したモハマディに0―2の判定で敗れた。午前中に4試合をこなすハードスケジュールで、集中力を欠き、スタミナが切れていた。
 そんな高塚を見かねて、日本選手団総監督を務める本学の富山監督が、群がるマスコミを遮り高塚を練習場に連れ出した。「さっきの試合は何だ。気力が足りない。あれじゃ次の3位決定戦には勝てないぞ」
 準決勝に進んで満足しているように見えた高塚に、富山監督のげきが飛んだ。高塚は、監督の言葉を受け、もう一度自分を見つめ直す。「最後は気持ちだ」と再び気合を入れ直した。
 3位決定戦までの4時間は、トレーナーのマッサージで疲れを取った。また「相手の特徴を知って試合に臨むだけでも違う」と相手の得意技などを頭に入れ、コンディションを整えてメダル獲得に挑んだ。
 対戦相手は昨年の欧州チャンピォンのフェドロシン。第1ピリオドの2分間を終え0―0。コイントスで優先権を取った高塚がタックルからポイントを先取。第2ピリオドも同様に、コイントスで勝った高塚がタックルを決め2―0の判定で勝利した。勝利の瞬間、高塚はマットの上で雄たけびを上げ、喜びを爆発させた。
 初の世界選手権を終え高塚は「監督の言葉がなかったら…。ベスト4で終わっていたかもしれない。監督に言われたことでメダルにつながった」と振り返った。「もっと上を狙えた」と満足のいく結果ではないが、気持ち次第で世界との差は縮まると感じたことは大きな収穫だ。世界の頂点に立つ日もそう遠くはない。

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